軟質塩ビ製品使用段階からのフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の大気排出量推定
本研究では,軟質塩ビの可塑剤として多量に使用されているフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(以後DEHP)の軟質塩ビ製品使用段階における大気への排出量を推定することを目的とした。軟質塩ビ製品は用途が多岐に亘り,耐用年数も異なるため,推定は最終製品の用途と形状の違いを考慮して行った。排出量推定の前段階として,DEHPのストック量の経年変化を国内出荷量と耐用年数を考慮し求めた寿命関数を用いて推定した。その結果,DEHPの出荷量は1990年代後半にピークを迎え,その後減少傾向がみられるにも関わらず,軟質塩ビ製品中に存在するDEHPストッ量には明確な減少傾向はみられず,2001年では270万トンのDEHP...
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Veröffentlicht in: | 環境科学会誌 2005/11/30, Vol.18(6), pp.583-593 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では,軟質塩ビの可塑剤として多量に使用されているフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(以後DEHP)の軟質塩ビ製品使用段階における大気への排出量を推定することを目的とした。軟質塩ビ製品は用途が多岐に亘り,耐用年数も異なるため,推定は最終製品の用途と形状の違いを考慮して行った。排出量推定の前段階として,DEHPのストック量の経年変化を国内出荷量と耐用年数を考慮し求めた寿命関数を用いて推定した。その結果,DEHPの出荷量は1990年代後半にピークを迎え,その後減少傾向がみられるにも関わらず,軟質塩ビ製品中に存在するDEHPストッ量には明確な減少傾向はみられず,2001年では270万トンのDEHPが使用段階にある軟質塩ビ製品中に含まれていると推定された。さらに,軟質塩ビ製品の単位面積あたりの排出係数を求め,その排出係数を用いて大気排出量を推定したところ,2001年では761トンとなった。また,排出源別に見ると,農ビからの排出量が使用中製品からの排出量のおよそ50%を占めていることが示された。これは,農ビの厚さが薄いため,表面積に換算するとその値は大きくなってしまうこと,さらには屋外で使用されていることに起因していると考えられた。軟質塩ビ製品使用段階からの推定DEHP排出量は,PRTR調査による2001年度の対象事業所からの排出量報告値(1,553トン)の約50%に相当しており,軟質塩ビ製品が大気への排出源として大きく寄与していることが示唆された。 |
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ISSN: | 0915-0048 1884-5029 |
DOI: | 10.11353/sesj1988.18.583 |