韓国の乳牛の繁殖成績における卵巣嚢腫の発症関連因子と経済的影響
本研究の目的は、個々のウシにおける複数の繁殖関連要因について解析することで分娩後に発症する卵巣嚢腫の発症関連因子を同定することと、韓国における乳牛の分娩後の繁殖成績に及ぼす卵巣嚢腫の経済的影響を調べることである。産次、産褥期の異常、子宮内膜炎、ボディコンディションスコア(BCS)および繁殖成績について、9つの農場から634頭分の成績を集めた。これらの要因が卵巣嚢腫に及ぼず影響について、ロジスティック回帰分析により評価した。危険率5%となる最適モデルを得るために、ステップワイズ法を用いた結果、産次が、分娩後8週間以内での最も重要な卵巣嚢腫の発症関連因子であった。一方、子宮内膜炎の発症および乾乳期...
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Veröffentlicht in: | The Journal of reproduction and development 2005-08, Vol.51 (4), p.491-498 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は、個々のウシにおける複数の繁殖関連要因について解析することで分娩後に発症する卵巣嚢腫の発症関連因子を同定することと、韓国における乳牛の分娩後の繁殖成績に及ぼす卵巣嚢腫の経済的影響を調べることである。産次、産褥期の異常、子宮内膜炎、ボディコンディションスコア(BCS)および繁殖成績について、9つの農場から634頭分の成績を集めた。これらの要因が卵巣嚢腫に及ぼず影響について、ロジスティック回帰分析により評価した。危険率5%となる最適モデルを得るために、ステップワイズ法を用いた結果、産次が、分娩後8週間以内での最も重要な卵巣嚢腫の発症関連因子であった。一方、子宮内膜炎の発症および乾乳期と比べBCSが1以上低下することが、分娩後8週間以降での最も重要な卵巣嚢腫の発症関連因子であった。分娩後8週間以降での卵巣嚢腫発症は、分娩から初回授精(27 日)および受胎(77日までの期間を有意に延長し(P<0.01)、さらに淘汰率(7.8%)を増加させた(P<0.05)。一方、分娩後8週間以内での卵巣嚢腫の発症は、分娩後の初回授精および受胎までの期間、さらに淘汰率へ影響を与えなかった。卵巣嚢腫の発症による経済的損失は、空胎期間延長に伴って、飼料コストの増加、期待される産子の平均成長による収益分の損失および労働力の増加、さらに、治療費用および淘汰により、約823996ウォン(687ドル)と試算された。これらの結果から、産次数が分娩後8週以内の卵巣嚢腫の発症と関連し、子宮内膜炎および乾乳期から分娩後8週までにBCSが1以上低下することが分娩後8週以降の卵巣嚢腫の発症と関連することが明らかとなり、それらが分娩後の繁殖成績を低下させ、韓国の乳牛において経済的損失を与えていることが示された。 |
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ISSN: | 0916-8818 |