熱赤外画像計測によるトマト青枯病の発病予測

トマト青枯病を早期に把握・診断することを目的として,発病前から発病までの期間にわたって熱赤外画像を遠隔測定し,発病予測の可能性について検討した。自根株(発病株)と接ぎ木株(未発病株)が交互に並んだトマトを同一の熱赤外画像内に捉え,画像判読と温度データの統計処理の二つの手法によって,トマト青枯病発病株の葉温の変化過程を分析した。その結果,熱赤外画像の目視判読により発病5日前から葉温の上昇を確認できた。また,画像の目視判読により葉温の上昇が確認された発病株と未発病株の葉温ヒストグラムを比較した結果,発病株では未発病株より平均葉温で0.8℃以上,最低葉温で0℃以上高かったが,最高葉温や最頻葉温では差...

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Veröffentlicht in:Nōgyō kishō 2005, Vol.61(3), pp.153-164
Hauptverfasser: 千脇, 健司, 長森, 茂之, 井上, 吉雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:トマト青枯病を早期に把握・診断することを目的として,発病前から発病までの期間にわたって熱赤外画像を遠隔測定し,発病予測の可能性について検討した。自根株(発病株)と接ぎ木株(未発病株)が交互に並んだトマトを同一の熱赤外画像内に捉え,画像判読と温度データの統計処理の二つの手法によって,トマト青枯病発病株の葉温の変化過程を分析した。その結果,熱赤外画像の目視判読により発病5日前から葉温の上昇を確認できた。また,画像の目視判読により葉温の上昇が確認された発病株と未発病株の葉温ヒストグラムを比較した結果,発病株では未発病株より平均葉温で0.8℃以上,最低葉温で0℃以上高かったが,最高葉温や最頻葉温では差が認められなかった。そこで,平均葉温の差が0.8℃以上,最低葉温の差が0℃以上あることを発病予測の基準値として,熱赤外画像から発病兆候の有無を判定したところ,最も早い場合発病12日前から葉温の上昇を検出できた。これにより,熱赤外画像遠隔計測を発病予測に応用できることが明らかとなった。
ISSN:0021-8588
1881-0136
DOI:10.2480/agrmet.61.153