二次性多血症を呈した腎細胞癌の猫の2例

食欲不振と嘔吐を主訴に来院した猫2例に対し各種検査を行い, 多血症および腎臓の腫大を認めた. 各種検査結果より二次性の多血症を疑い, 腫大した腎臓の摘出を行ったところ, 多血症の改善が認められた. また, 摘出した腎臓は病理組織学的に, 腎細胞癌と診断された. エリスロポエチン濃度の推移を観察したところ, 健常猫 (平均値19.6±4.3mIU/ml) に対し, 初診時に上昇を認めていた値 (症例1: 27.0mIU/ml, 症例2: 27.8mIU/ml) が, 手術後は多血症の改善に伴い, 順調に下降 (症例1: 14.5mIU/ml, 症例2: 14.5mIU/ml) した. これらの結...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2005/07/20, Vol.58(7), pp.480-483
Hauptverfasser: 湯木, 正史, 鈴木, 清美, 杉本, 典子, 樋口, 貴志, 鈴木, 秀典
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:食欲不振と嘔吐を主訴に来院した猫2例に対し各種検査を行い, 多血症および腎臓の腫大を認めた. 各種検査結果より二次性の多血症を疑い, 腫大した腎臓の摘出を行ったところ, 多血症の改善が認められた. また, 摘出した腎臓は病理組織学的に, 腎細胞癌と診断された. エリスロポエチン濃度の推移を観察したところ, 健常猫 (平均値19.6±4.3mIU/ml) に対し, 初診時に上昇を認めていた値 (症例1: 27.0mIU/ml, 症例2: 27.8mIU/ml) が, 手術後は多血症の改善に伴い, 順調に下降 (症例1: 14.5mIU/ml, 症例2: 14.5mIU/ml) した. これらの結果は, 治療経過をよく反映しており, エリスロポエチン濃度の測定が二次性多血症の診断に有用である可能性が示唆された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.58.480