モンスーンアジアの小規模ポンプ灌漑事業における農民水利費負担の実態

灌漑にかかる維持管理費の賦課方法については多くの理論的検討がなされている一方, 費用負担の実態はあまり検討されていない.本報は, モンスーンアジアの5つの小規模ポンプ灌漑事業地区の農民水利組織を対象に, 灌漑施設の管理と農民水利費負担の実態を調査し, 水利費負担方法の問題点を分析した.その結果, 面積割りと水量割りの負担方法が広く議論されるのに対して, 実際には, 農家が個々に取水する際に要したポンプの燃料費や電気料金を直接負担する「取水費用割り」が中心的な位置を占めていること, この方法は個々の取水費用と水利費とが直結するため関係農民に受け入れられやすいこと, 一方, 個々の農家の水量当たり...

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Veröffentlicht in:Nōgyō Doboku Gakkai ronbunshū 2005/08/25, Vol.2005(238), pp.353-362
Hauptverfasser: 石井, 敦, タサニー, ウンヴィチット, 任, 永懐, 佐藤, 政良
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:灌漑にかかる維持管理費の賦課方法については多くの理論的検討がなされている一方, 費用負担の実態はあまり検討されていない.本報は, モンスーンアジアの5つの小規模ポンプ灌漑事業地区の農民水利組織を対象に, 灌漑施設の管理と農民水利費負担の実態を調査し, 水利費負担方法の問題点を分析した.その結果, 面積割りと水量割りの負担方法が広く議論されるのに対して, 実際には, 農家が個々に取水する際に要したポンプの燃料費や電気料金を直接負担する「取水費用割り」が中心的な位置を占めていること, この方法は個々の取水費用と水利費とが直結するため関係農民に受け入れられやすいこと, 一方, 個々の農家の水量当たり費用が異なる点が問題で, 費用が高い農家が施設を使用せず, 政府投資による施設が遊休化する危険性をもつこと, 等を明らかにした.
ISSN:0387-2335
1884-7234
DOI:10.11408/jsidre1965.2005.353