ブタ卵の第1減数分裂/第2減数分裂移行におけるCdk2活性の必要性

卵の減数分裂過程にcyclin-dependen kinase2 (Cdk2)活性が必要であることがXenopus卵で示唆されている。そこで我々は、哺乳類卵の減数分裂の制御に対するCdk2の関与を、ブタ卵に抗-Cdk2抗体を注入することにより調べた。初めに、注入に用いる抗-Cdk2抗体がCdc2と交差するかをブタ顆粒膜細胞抽出物を用いた免疫沈澱とウエスタンブロットによって調べた結果、この抗-Cdk2抗体はCdc2とは交差しないことが確認された。抗-Cdk2抗体をブタ卵に注入すると、培養50時間後に第2減数分裂中期に停止するものは50.7%であり、注入しない卵や対照としてマウスlgGを注入した卵...

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Veröffentlicht in:The Journal of reproduction and development 2005-02, Vol.51 (1), p.143-149
Hauptverfasser: 杉浦, 幸二, 内藤, 邦彦, 東條, 英昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:卵の減数分裂過程にcyclin-dependen kinase2 (Cdk2)活性が必要であることがXenopus卵で示唆されている。そこで我々は、哺乳類卵の減数分裂の制御に対するCdk2の関与を、ブタ卵に抗-Cdk2抗体を注入することにより調べた。初めに、注入に用いる抗-Cdk2抗体がCdc2と交差するかをブタ顆粒膜細胞抽出物を用いた免疫沈澱とウエスタンブロットによって調べた結果、この抗-Cdk2抗体はCdc2とは交差しないことが確認された。抗-Cdk2抗体をブタ卵に注入すると、培養50時間後に第2減数分裂中期に停止するものは50.7%であり、注入しない卵や対照としてマウスlgGを注入した卵(それぞれ84.5%および86.7%)と比較し有意に低かった。抗体を注入した卵のうち、第2減数分裂中期に停止しなかったものの大部分は、極体を持たずに、または1個の極体とともに前核を形成していた。抗体を注入され培養50時間後に活性化した卵では、cyclin B1量が注入しない卵やマウスlgGを注入した卵と比較し、有意に少なかった。以上より、Cdk2は哺乳類卵の減数分裂に関与し、Cdk2活性を抑制するとcyclin B1量が低下し第2減数分裂へ入れなくなることが示唆された。
ISSN:0916-8818