ウシ体外成熟卵子のガラス化保存におけるガラス化液のシュクロース濃度およびフィルターを支持体とした保存手法

ウシ体外成熟卵子のガラス化保存について検討した。マイクロドロップレット法において、エチレングリコールとシュクロースを耐凍剤としたガラス化液のシュクロース濃度(1M vs 0.67M)を比較した。体外受精後2日目における胚分割率(27.7% vs 38.0%)および7日目における胚発生率(0.0% vs 4.0%)において0.67Mの方が1Mに比べて有意に高かった。メンブレンフィルターを用いたフィルター法と、マイクロドロップレット法の比較を行った。ガラス化液平衡処理の所要時間は、マイクロドロップレット法では卵子の個数が増えるに従い長くなったが、フィルター法では変わらなかった。また、保存卵子の体外...

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Veröffentlicht in:福岡県農業総合試験場研究報告 2005-03 (24), p.73-77
Hauptverfasser: 森, 美幸, 笠, 正二郎, 上田, 修二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ウシ体外成熟卵子のガラス化保存について検討した。マイクロドロップレット法において、エチレングリコールとシュクロースを耐凍剤としたガラス化液のシュクロース濃度(1M vs 0.67M)を比較した。体外受精後2日目における胚分割率(27.7% vs 38.0%)および7日目における胚発生率(0.0% vs 4.0%)において0.67Mの方が1Mに比べて有意に高かった。メンブレンフィルターを用いたフィルター法と、マイクロドロップレット法の比較を行った。ガラス化液平衡処理の所要時間は、マイクロドロップレット法では卵子の個数が増えるに従い長くなったが、フィルター法では変わらなかった。また、保存卵子の体外受精後2日目における胚分割率および、7日目に胚盤胞、8日目に拡張胚盤胞へ発育した割合に有意差はなかったものの、フィルター法がマイクロドロップレット法より高くなる傾向が認められた。これらのことから、卵子のガラス化保存においては、ガラス化液の耐凍剤としてエチレングリコールと組み合わせるシュクロース濃度が保存卵子の生存性に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、フィルター法を用いることにより、一度により多くの数の卵子を保存することが可能となった。
ISSN:1341-4593