茨城県三地域における土地利用区分のベータ・二項分布による解析

1. 航空写真を解析して, (1)茨城県北部の山間地域(県北山間地域), (2)中部の里山地域(県央御前山地域), (3)南部の都市と近郊(県南土浦地域)の3地域における1990年代の土地利用区分の比較を行った.解析にはベータ・二項分布を利用した.3地域の比較から, 第1の地域は山村的な土地利用形態を強くもっていること, 第3の地域は都市的な土地利用形態をもっていること, そして第2の県央御前山地域は両者の中間的ないしやや山村に近い土地利用形態をもっていることを明らかにした.1980年に茨城県で作成した茨城県植生図の解析結果と1990年代の結果を比較すると, 県北山間地域では落葉樹林と市街地の...

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Veröffentlicht in:Nihon Seitai Gakkai shi 2005/04/25, Vol.55(1), pp.11-19
Hauptverfasser: 堀, 良通, 塩見, 正衛, 相川, 真一, 荻津, 英也, 冨松, 元, 安田, 泰輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. 航空写真を解析して, (1)茨城県北部の山間地域(県北山間地域), (2)中部の里山地域(県央御前山地域), (3)南部の都市と近郊(県南土浦地域)の3地域における1990年代の土地利用区分の比較を行った.解析にはベータ・二項分布を利用した.3地域の比較から, 第1の地域は山村的な土地利用形態を強くもっていること, 第3の地域は都市的な土地利用形態をもっていること, そして第2の県央御前山地域は両者の中間的ないしやや山村に近い土地利用形態をもっていることを明らかにした.1980年に茨城県で作成した茨城県植生図の解析結果と1990年代の結果を比較すると, 県北山間地域では落葉樹林と市街地の面積が増加し, 農耕地の面積が減少した.県央御前山地域においても, ほぼ同様の傾向がみられた.一方, 県南土浦地域においては, 落葉樹林面積の減少と市街地面積の著しい増加が目立った.この地域では面積の変化だけではなく, 市街地は大きな塊を形成する傾向が, また落葉樹林は局所化する傾向がみられた.これらの事実から, 1970年代から1990年代にかけてのわが国の社会と産業構造の変化が土地利用区分に及ぼした影響がいかに大きかったかをみることができる.2. 土地利用区分の時間的・空間的な変動をみるためには, ベータ・二項分布モデルとそのパラメータ値の利用が有効なことを示した.
ISSN:0021-5007
2424-127X
DOI:10.18960/seitai.55.1_11