種間交雑によるアントシアニン高含有‘茶中間母本農6号’の育成

‘茶中間母本農6号’は生育旺盛なアントシアニン高含有品種の育成のために,1993年に農林水産省野菜・茶業試験場久留米支場(現独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所枕崎茶業研究拠点)において,チャの近縁種‘タリエンシス(赤芽)’(Camellia taliensis)を種子親に,晩生で,耐寒性に優れた緑茶用品種‘おくむさし’を花粉親とした交雑実生群の中から選抜された系統である。2000年から2003年に行われた特性調査とチャの品種・系統との交雑の結果から,‘茶中間母本農6号’はアントシアニン高含有品種育成用の中間母本として有望と判断された。‘茶中間母本農6号’は樹姿がやや直立...

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Veröffentlicht in:野菜茶業研究所研究報告 2005-03 (4), p.77-85
Hauptverfasser: 荻野, 暁子, 田中, 淳一, 吉田, 克志, 谷口, 郁也, 大前, 英, 根角, 厚司, 佐波, 哲次, 武弓, 利雄, 武田, 善行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:‘茶中間母本農6号’は生育旺盛なアントシアニン高含有品種の育成のために,1993年に農林水産省野菜・茶業試験場久留米支場(現独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所枕崎茶業研究拠点)において,チャの近縁種‘タリエンシス(赤芽)’(Camellia taliensis)を種子親に,晩生で,耐寒性に優れた緑茶用品種‘おくむさし’を花粉親とした交雑実生群の中から選抜された系統である。2000年から2003年に行われた特性調査とチャの品種・系統との交雑の結果から,‘茶中間母本農6号’はアントシアニン高含有品種育成用の中間母本として有望と判断された。‘茶中間母本農6号’は樹姿がやや直立型で,樹勢が強い。萌芽期・摘採期は‘さえみどり’並の早生で,新芽の色は茶色ないし橙色がかった赤紫色である。炭疽病と輪斑病には抵抗性があり,耐寒性は中程度である。新芽には,アントシアニンが‘紅花チャ(三重系)’と同程度以上含まれるが,全アミノ酸やカフェイン,全カテキンは‘やぶきた’と比べて少ない。‘茶中間母本農6号’の交雑後代には,アントシアニンを1%以上含むアントシアニン高含有個体が出現する。その場合,アントシアニンを多く含む系統を交雑の片親として用いると,アントシアニン高含有個体の出現頻度は高くなる。
ISSN:1346-6984