サテライトRNA遺伝子の導入によるキュウリモザイクウイルス抵抗性トマトに関する研究(2) : 組換えトマトの形態・生育特性と環境に対する安全性評価
CMV弱毒サテライトRNAsat55-1を導入したトマト「No.4-7」の安全性評価試験が,北海道農業研究センターの閉鎖系温室,非閉鎖系温室および隔離圃場で実施された。No.4-7は,原品種の秋玉に比べCMV抵抗性を示すとともに,早生化とわい性化の傾向が認められ,多収性を示した。CMV抵抗性以外の特性の変化は,形質転換過程でトマト組織のカルス化による体細胞突然変異が原因と考えられた。交雑性の試験には,閉鎖系温室では風媒およびマルハナバチによる虫媒を,隔離圃場では隣接した栽培によって行われたが,組換えトマトと非組換えトマトの間での交雑は認められなかった。環境に対する安全性評価では,No.4-7か...
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Veröffentlicht in: | 北海道農業研究センター研究報告 2005-03 (182), p.51-63 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | CMV弱毒サテライトRNAsat55-1を導入したトマト「No.4-7」の安全性評価試験が,北海道農業研究センターの閉鎖系温室,非閉鎖系温室および隔離圃場で実施された。No.4-7は,原品種の秋玉に比べCMV抵抗性を示すとともに,早生化とわい性化の傾向が認められ,多収性を示した。CMV抵抗性以外の特性の変化は,形質転換過程でトマト組織のカルス化による体細胞突然変異が原因と考えられた。交雑性の試験には,閉鎖系温室では風媒およびマルハナバチによる虫媒を,隔離圃場では隣接した栽培によって行われたが,組換えトマトと非組換えトマトの間での交雑は認められなかった。環境に対する安全性評価では,No.4-7からの有毒物質の産生は認められず,トマト残さが後作物の生育や土壌微生物の生息密度に影響しないこと,昆虫相・植物相に差異がないことから,組換えトマトの栽培によって周辺の生物環境への影響はないと考えられた。 |
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ISSN: | 1347-8117 |