温暖地に適した無エルシン酸なたね新品種「ななしきぶ」の育成

「ななしきぶ」は,東北農業試験場(現 東北農業研究センター)において,温暖地向けの無エルシン酸,多収なたね品種の育成を目標に,1992年に無エルシン酸で成熟期が中生の「盛脂148」を母とし,早生で多収な「オオミナタネ」を父として人工交配を行い,以後,系統育種法により,選抜・固定を図り,育成し,2002年に命名登録された品種である。本品種は標準品種とした「オオミナタネ」に比較して,次のような特性をもつ。成熟期はやや遅いが,同じく中生品種で,中晩生品種である「キザキノナタネ」より早い。草丈は長く“中”で,「キザキノナタネ」よりは短い。菌核病抵抗性は同程度で“やや強”,寒雪害抵抗性は強い“やや強”で...

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Veröffentlicht in:東北農業研究センター研究報告 2005-03 (103), p.1-11
Hauptverfasser: 加藤, 晶子, 山守, 誠, 由比, 真美子, 石田, 正彦, 千葉, 一美, 奥山, 善直, 遠山, 知子, 田野崎, 真吾, 菅原, 俐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「ななしきぶ」は,東北農業試験場(現 東北農業研究センター)において,温暖地向けの無エルシン酸,多収なたね品種の育成を目標に,1992年に無エルシン酸で成熟期が中生の「盛脂148」を母とし,早生で多収な「オオミナタネ」を父として人工交配を行い,以後,系統育種法により,選抜・固定を図り,育成し,2002年に命名登録された品種である。本品種は標準品種とした「オオミナタネ」に比較して,次のような特性をもつ。成熟期はやや遅いが,同じく中生品種で,中晩生品種である「キザキノナタネ」より早い。草丈は長く“中”で,「キザキノナタネ」よりは短い。菌核病抵抗性は同程度で“やや強”,寒雪害抵抗性は強い“やや強”である。春播性は同程度の“高”である。耐倒伏性はやや強く“強”で,「キザキノナタネ」と同程度である。子実収量は多く“多”である。子実中のエルシン酸は「オオミナタネ」の“極高”に対し“無”である。含油率は同じく“中”である。「ななしきぶ」の栽培適地は関東以西の温暖平坦地帯である。「ななしきぶ」は滋賀県で栽培が推奨される。
ISSN:1347-3379
DOI:10.24514/00001177