初冬どりハクサイでの防虫ネットトンネルと太陽熱処理の併用による虫害抑制

1 初冬どりハクサイの減・無農薬栽培技術の確立を図るため,防虫ネットトンネル被覆,栽培前の太陽熱処理,および少回数の農薬施用がハクサイの生育・収量と虫害程度に及ぼす影響を検討した。2 0.6mmネットトンネルは害虫の侵入を抑制したが,その効果は完全ではなく,アブラムシおよびヨトウ類がトンネル内に侵入して大きな被害を与える場合があった。ネットトンネル内への害虫の侵入はトンネル裾を埋めた場合と比較してトンネル裾を埋めずにクリップ留めした場合に多く,また,栽培前の太陽熱処理を行った場合と比較して行わない場合に多かった。3 ネットトンネルを裾埋めし,太陽熱処理を併用した区では,トンネル内への害虫の侵入...

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Veröffentlicht in:近畿中国四国農業研究センター研究報告 2005-03 (4), p.1-14
Hauptverfasser: 熊倉, 裕史, 長坂, 幸吉, 藤原, 隆広, 吉田, 祐子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1 初冬どりハクサイの減・無農薬栽培技術の確立を図るため,防虫ネットトンネル被覆,栽培前の太陽熱処理,および少回数の農薬施用がハクサイの生育・収量と虫害程度に及ぼす影響を検討した。2 0.6mmネットトンネルは害虫の侵入を抑制したが,その効果は完全ではなく,アブラムシおよびヨトウ類がトンネル内に侵入して大きな被害を与える場合があった。ネットトンネル内への害虫の侵入はトンネル裾を埋めた場合と比較してトンネル裾を埋めずにクリップ留めした場合に多く,また,栽培前の太陽熱処理を行った場合と比較して行わない場合に多かった。3 ネットトンネルを裾埋めし,太陽熱処理を併用した区では,トンネル内への害虫の侵入が少なく,農薬施用回数が0回ないし1回でも高収となり,可販球収量は700㎏/a前後であった。4 ネットトンネル裾をクリップ留めする方法は,栽培中に少回数の農薬施用を併用する減農薬栽培では作業上有力である。この方法ではネットトンネル無被覆より病虫害は軽減され可販球収量は向上したものの,裾埋め処理に比べ害虫侵入阻止効果は劣った。一定以上の収量を得るためには,太陽熱処理および2~7回程度の農薬施用を行うことが有効であり,これにより可販球収量を600㎏/a以上とすることができた。
ISSN:1347-1244
DOI:10.24514/00001575