バルク乳中抗体の検出による牛ウイルス性下痢ウイルスの浸潤状況調査

北海道の2地区196軒の酪農家からのバルク乳の乳清を用いたウイルス中和試験により, 牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) の浸潤状況を調査した. 検査対象とした2地区は, バルク乳からBVDV遺伝子が検出されたA地区151軒と検出されなかったB地区45軒である. 検査の結果, BVDV遺伝子検出の有無にかかわらず166軒 (166/196=84.7%) の酪農家の検体が16倍以上の中和抗体価を示した. また, そのうち疫学情報の入手が可能であった132軒中, 64軒 (48.5%) では過去にBVDV感染が摘発されたことがなく, ワクチン接種歴もなく, かつ自家生産牛のみの牛群であった. 以...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2004/11/20, Vol.57(11), pp.705-709
Hauptverfasser: 小佐々, 隆志, 田島, 誉士, 佐野, 公洋, 安富, 一郎, 大橋, 和彦, 小沼, 操
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:北海道の2地区196軒の酪農家からのバルク乳の乳清を用いたウイルス中和試験により, 牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) の浸潤状況を調査した. 検査対象とした2地区は, バルク乳からBVDV遺伝子が検出されたA地区151軒と検出されなかったB地区45軒である. 検査の結果, BVDV遺伝子検出の有無にかかわらず166軒 (166/196=84.7%) の酪農家の検体が16倍以上の中和抗体価を示した. また, そのうち疫学情報の入手が可能であった132軒中, 64軒 (48.5%) では過去にBVDV感染が摘発されたことがなく, ワクチン接種歴もなく, かつ自家生産牛のみの牛群であった. 以上からこれらの地区には, 感染経路は不明であるがBVDVが広く浸潤していることが明らかとなり, 本感染症を牛群から清浄化するためには長期的な監視が必要であると考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.57.705