サイロ詰め込み前の材料草に対する水分調整材添加混合装置の開発

高い水分含量の牧草を安定的に高品質サイレージに調製するために、サイロ詰めの際に低水分の水分調整材を牧草に添加混合し、平均水分を低下させた混合物をサイロに投入する装置を開発した。開発装置は2つのコンベヤおよび材料草の流量の計測と水分調整材の添加を行う装置から構成される。ベルトコンベヤに設置した超音波式距離センサで牧草の流量を推定し、牧草の流量に対して一定の比率で水分調整材を添加する。スクリュピッチを漸増させた2軸スクリュコンベヤで牧草と水分調整材を混合し、材料の混合を連続的に行うことが可能である。開発装置の平均処理能力および消費電力はそれぞれ17.9/h、1.5kWであった。開発装置を供試して収穫直後の高水分材料草に水分調整材を添加して貯蔵したスーダングラスサイレージは、添加しないで貯蔵した場合と比較して、発酵品質は良好で乾物消失率は低かった。本開発装置により、50m（3）クラスの地下角型サイコロにおいて、圃場での予乾作業を省略した牧草を省力的に高品質サイレージに調製できた。