サビマダラオオホソカタムシに関する研究 : マツノマダラカミキリへの室内卵放飼試験とキボシカミキリへの野外放飼試験
カミキリムシ類の天敵昆虫であるサビマダラオオホソカタムシについて、寄主の動きが寄生に及ぼす影響を把握するため、実験室内でマツノマダラカミキリの無処理幼虫、刺針処理により動きを鈍らせた幼虫、蛹の3種の寄主をそれぞれ16個体ずつ置き、サビマダラオオホソカタムシの卵を放飼し、20日間の寄生状況を調査した。その結果、寄生初日までの平均日数は無処理幼虫で12.2日、処理幼虫で8.4日、蛹で6.4日であり、寄生率は蛹で8日目、処理幼虫で13日目に100%に達し、無処理幼虫では20日目に93.8%であった。これらのことから、寄主の動きがサビマダラオオホソカタムシの寄生を妨げていることが明らかとなった。寄主の...
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Veröffentlicht in: | 研究報告 2004-03 (20), p.43-48 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | カミキリムシ類の天敵昆虫であるサビマダラオオホソカタムシについて、寄主の動きが寄生に及ぼす影響を把握するため、実験室内でマツノマダラカミキリの無処理幼虫、刺針処理により動きを鈍らせた幼虫、蛹の3種の寄主をそれぞれ16個体ずつ置き、サビマダラオオホソカタムシの卵を放飼し、20日間の寄生状況を調査した。その結果、寄生初日までの平均日数は無処理幼虫で12.2日、処理幼虫で8.4日、蛹で6.4日であり、寄生率は蛹で8日目、処理幼虫で13日目に100%に達し、無処理幼虫では20日目に93.8%であった。これらのことから、寄主の動きがサビマダラオオホソカタムシの寄生を妨げていることが明らかとなった。寄主の重量とサビマダラオオホソカタムシ幼虫の寄生頭数との関係では、寄主が蛹の場合にのみ相関が認められ、寄主1g当たり6.6頭が寄生すると推測された。また、キボシカミキリに対する野外での放飼効果を確認するため、キボシカミキリに加害されたケグワ丸太にサビマダラオオホソカタムシの成虫10頭と162卵をそれぞれ放飼した。その結果、成虫放飼区、卵放飼区ともに寄生は認められなかった。 |
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ISSN: | 0388-8509 |