ケグワに関する研究 : 初期成長特性の調査と養蚕用のクワへのつぎ木試験,および2年間の材色変化

本研究はケグワの初期の成長特性と台切りの有効性、養蚕用クワへつぎ木した場合の活着性とその後の成長、材色変化について明らかにし、ケグワ造林を推進するための基礎資料とするものである。ケグワの初期成長特性を明らかにするため、植栽年度、立地条件の異なる3か所の植栽地で6年間成長量を調査した。また、調査開始時に全ての植栽地で調査対象木の一部に台切り処理をした。その結果、1年生時点で平均地際直径が2.0cm程度の植栽地では、1年生時点で台切りを行うことにより、7割以上の確率で3mを超える萌芽枝が期待できること、山畑や水田の跡地など肥沃な土壌では、植栽後5年生位まで、1m/年程度の樹高成長が見込めること等が...

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Veröffentlicht in:研究報告 2004-03 (20), p.33-42
1. Verfasser: 阿部, 剛俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究はケグワの初期の成長特性と台切りの有効性、養蚕用クワへつぎ木した場合の活着性とその後の成長、材色変化について明らかにし、ケグワ造林を推進するための基礎資料とするものである。ケグワの初期成長特性を明らかにするため、植栽年度、立地条件の異なる3か所の植栽地で6年間成長量を調査した。また、調査開始時に全ての植栽地で調査対象木の一部に台切り処理をした。その結果、1年生時点で平均地際直径が2.0cm程度の植栽地では、1年生時点で台切りを行うことにより、7割以上の確率で3mを超える萌芽枝が期待できること、山畑や水田の跡地など肥沃な土壌では、植栽後5年生位まで、1m/年程度の樹高成長が見込めること等が明らかになった。養蚕用クワへつぎ木したところ、活着率は60.3%であった。また、1年目に伸長したシュートのうち86.9%が通直に生育しないことから、1年目から支柱が必要であることが示唆された。4成長期経過後の平均樹高は3.9m、平均地際直径は4.9cmであった。2002年2月に製材したケグワ板材を用いて、心材部材色のハンターL、a、bの値を2年間測定した。その結果、初期3ヶ月および1年目までは、ともにL値(明度)とb値(黄味)が減少し、a値(赤味)が増加する傾向がみられ、2年経過時にもL値とb値は減少傾向がみられた。また、材色の変化は表面部分のみであり、深さ1mmにも達していなかった。
ISSN:0388-8509