肥育後期のブロイラーへの生菌剤およびガラクトオリゴ糖添加の効果

抗菌性剤の使用が少ないブロイラーの飼養管理技術の確立を目的に、肥育後期のブロイラー抗菌性剤を含まない仕上げ飼料へ乳酸菌製剤およびガラクトオリゴ糖を添加給与して、生産性等に及ぼす効果について検討した。試験1として20日齢まで市販のブロイラー前期用飼料(抗菌性物質含有)で飼養後、21日齢で(1)仕上げ飼料(抗菌性剤を含まない)へ乳酸菌製剤を添加した区、(2)仕上げ飼料区、(3)従来区(41日齢まで抗菌剤を含む後期飼料、42日齢から仕上げ飼料)の3区に区分けし、49日齢までの肥育試験を実施したところ、乳酸菌製剤添加によって育成率と飼料要求率がやや劣ったものの、増体量は従来の後期飼料給与と同程度の発育...

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Veröffentlicht in:和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 2004-03 (5), p.87-96
Hauptverfasser: 坂口, 勝規, 西岡, 行男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抗菌性剤の使用が少ないブロイラーの飼養管理技術の確立を目的に、肥育後期のブロイラー抗菌性剤を含まない仕上げ飼料へ乳酸菌製剤およびガラクトオリゴ糖を添加給与して、生産性等に及ぼす効果について検討した。試験1として20日齢まで市販のブロイラー前期用飼料(抗菌性物質含有)で飼養後、21日齢で(1)仕上げ飼料(抗菌性剤を含まない)へ乳酸菌製剤を添加した区、(2)仕上げ飼料区、(3)従来区(41日齢まで抗菌剤を含む後期飼料、42日齢から仕上げ飼料)の3区に区分けし、49日齢までの肥育試験を実施したところ、乳酸菌製剤添加によって育成率と飼料要求率がやや劣ったものの、増体量は従来の後期飼料給与と同程度の発育を示し、乳酸菌製剤の飼料添加によって休薬期間を延長できることが示唆された。試験2では2つの濃度(0.25%と0.5%)で乳酸菌製剤を添加して、試験1と同様の調査を実施した。乳酸菌製剤添加およびその添加濃度の違いによる育成率の差はなく、また、増体量も2つの乳酸菌添加区は従来の後期飼料給与区にはわずかに及ばないもののほぼ同程度の発育を示した。試験3では乳酸菌製剤を添加した仕上げ飼料へさらにガラクトオリゴ糖を添加して、乳酸菌製剤のみを添加した区および仕上げ飼料区との肥育成績について比較をした。ガラクトオリゴ糖の添加によっても育成率の差はなく、ほぼ同等の増体を示した。しかし、上記の3つの試験では、仕上げ飼料への乳酸菌製剤およびガラクトオリゴ糖の飼料添加によっても従来の後期飼料区以上に増体性を向上させるものではなかった。また、いずれの試験でも各区の育成率が比較的高く、試験によっては試験期間中ずっとコクシジウムのオーシストが検出されなかったりしたことから、比較的良好な衛生環境下で行われた試験であると思われ、そのために仕上げ飼料区においても疾病の発生等の障害が無かったとも考えられた。
ISSN:1345-5028