キク科植物におけるブタクサハムシ摂食刺激物質の分布と寄主選好性との関係

ブタクサハムシの寄主植物を含むキク科6連11属17種の植物のメタノール抽出物に対する、ブタクサハムシの摂食反応を調べた。メタノール抽出物を添加したろ紙上に残されたブタクサハムシの摂食痕数により摂食刺激活性を評価した。ブタクサの抽出物の摂食刺激活性が最も高く、野外で食害が報告されているオオブタクサ、オオオナモミ、イガオナモミはブタクサの約55-80%の高い活性を示した他、ヒマワリもブタクサの約20%の活性を示した。また、野外で摂食が確認されていない種でもイヌキクイモとゴボウの抽出物が高い摂食刺激活性を示し、レタスのカイザー品種でもブタクサの約10%の活性が認められた。その他の9種のキク科植物のメ...

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Veröffentlicht in:Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 2004, Vol.48(3), pp.191-199
Hauptverfasser: 田村, 泰盛, 服部, 誠, 今野, 浩太郎, 本田, 洋, 河野, 義明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ブタクサハムシの寄主植物を含むキク科6連11属17種の植物のメタノール抽出物に対する、ブタクサハムシの摂食反応を調べた。メタノール抽出物を添加したろ紙上に残されたブタクサハムシの摂食痕数により摂食刺激活性を評価した。ブタクサの抽出物の摂食刺激活性が最も高く、野外で食害が報告されているオオブタクサ、オオオナモミ、イガオナモミはブタクサの約55-80%の高い活性を示した他、ヒマワリもブタクサの約20%の活性を示した。また、野外で摂食が確認されていない種でもイヌキクイモとゴボウの抽出物が高い摂食刺激活性を示し、レタスのカイザー品種でもブタクサの約10%の活性が認められた。その他の9種のキク科植物のメタノール抽出物は活性を示さなかった。ブタクサハムシの摂食刺激物質である2種のトリテルペノイド(α-amyrin aceaeとβ-amyrin aceae)と2種のカフェー酸誘導体(chlorogenic acidと3、5-dicaffeoylquinic acid)を上記植物について分析したところ、これらの物質は濃度や組成比が異なるものの、多くのキク科植物にも含まれていた。ブタクサのメタノール抽出物に、各種キク科植物のメタノール抽出物を添加したところ、幾つかの種でブタクサハムシの摂食が抑制された。ブタクサハムシの食草の選択は、摂食刺激物質の存在だけでなく、摂食行動を抑制する因子の影響も受けると考えられる。
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.2004.191