南九州の水田におけるコブノメイガ成虫密度および雌成虫交尾率の季節的消長

南九州におけるコブノメイガ成虫密度と雌成虫交尾率の季節的消長について早期・普通期水田で検討した。成虫の発生は7月上旬までは早期水田に多く、7月末-8月上旬には主に普通期水田で大きな密度ピークが認められた。大半が飛来成虫と考えられる6月末から7月中旬にかけての水田での雌交尾率は75%以上であった。しかし、イネが最高分げつ期後から穂ばらみ期前で、第1世代の羽化時期にあたる8月上旬においては50%を下回った。その後は年によって高低がみられ25-75%を示した。これらの雌交尾率の推移は概ね成虫密度とみかけ上逆の関係がみられた。本報告および北部九州における雌交尾率の調査結果などから、本種の成虫密度および...

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Veröffentlicht in:Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 2004, Vol.48(3), pp.177-183
Hauptverfasser: 井上, 栄明, 上和田, 秀美, 深町, 三朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:南九州におけるコブノメイガ成虫密度と雌成虫交尾率の季節的消長について早期・普通期水田で検討した。成虫の発生は7月上旬までは早期水田に多く、7月末-8月上旬には主に普通期水田で大きな密度ピークが認められた。大半が飛来成虫と考えられる6月末から7月中旬にかけての水田での雌交尾率は75%以上であった。しかし、イネが最高分げつ期後から穂ばらみ期前で、第1世代の羽化時期にあたる8月上旬においては50%を下回った。その後は年によって高低がみられ25-75%を示した。これらの雌交尾率の推移は概ね成虫密度とみかけ上逆の関係がみられた。本報告および北部九州における雌交尾率の調査結果などから、本種の成虫密度および雌交尾率の季節的消長は中国大陸における季節的変動に類似し、緯度の異なる地点では季節的変化が異なり、そしてそれには成虫が性成熟する間の移動分散行動が関与するものと推察された。
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.2004.177