黒毛和種牛の成長ホルモン遺伝子多型が枝肉成績に及ぼす影響

ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子多型が黒毛和種の枝肉形質に及ぼす影響を明らかにするため、島根県産の肥育牛を対象として、bGH遺伝子多型と枝肉形質の関連性を調査した。同一種雄牛由来の去勢肥育牛171頭について、ダイレクトシーケンスによりbGH遺伝子多型を判定し、各bGH遺伝子多型(A、BおよびC遺伝子)の有無と枝肉成績(枝肉重量、ロース芯面積、BMS No.)との関連性を最小自乗分散分析(LSMLMW)で解析した。その結果、A遺伝子の有無によってロース芯面積(p<0.01)およびBMS No. (p<0.05)に差が認められ、いずれもA遺伝子を持たない群の方が高かった。また、同一飼養条件下で飼育...

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Veröffentlicht in:島根県立畜産試験場研究報告 2004-03 (37), p.11-15
Hauptverfasser: 安部, 亜津子, 安田, 康明, 成相, 伸久, 長谷川, 清寿, 佐々木, 恵美, 高仁, 敏光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子多型が黒毛和種の枝肉形質に及ぼす影響を明らかにするため、島根県産の肥育牛を対象として、bGH遺伝子多型と枝肉形質の関連性を調査した。同一種雄牛由来の去勢肥育牛171頭について、ダイレクトシーケンスによりbGH遺伝子多型を判定し、各bGH遺伝子多型(A、BおよびC遺伝子)の有無と枝肉成績(枝肉重量、ロース芯面積、BMS No.)との関連性を最小自乗分散分析(LSMLMW)で解析した。その結果、A遺伝子の有無によってロース芯面積(p<0.01)およびBMS No. (p<0.05)に差が認められ、いずれもA遺伝子を持たない群の方が高かった。また、同一飼養条件下で飼育された後代検定牛54頭について、bGH遺伝子型と枝肉成績(枝肉重量、ロース芯面積、BMS No.)との関係をLSMLMWで分析した結果、bGH遺伝子型による差が、ロース芯面積およびBMS No.において認められた。すなわち、ロース芯面積はCC型が他の型よりも大きく、最も小さいAA型と比べて有意に大きかった(p<0.05)。また、BMS No.もCC型が最も高く、最も低いAA型に対し有意に高かった(p<0.01)。以上のことから、bGH遺伝子多型は肥育牛のロース芯面積およびBMS No.に影響を及ぼすことが示唆され、黒毛和種の選抜におけるDNAマーカーの一つとして利用可能であると考えられた。
ISSN:0914-6296