Aphanomyces cochlioidesの遊走子形成に対する培養条件の影響

Aphanomyces cochlioidesによる、テンサイ苗立枯病および黒根病に対する抵抗性が、現在のテンサイ育種における重要形質とされている。抵抗性育種では、安定的かつ高精度な抵抗性評価が可能な人工接種法を用いた抵抗性検定が優れているが、接種源となる遊走子を大量かつ安定的に形成する手法が必要である。そこで本試験では、培養条件が遊走子形成量に及ぼす影響について検討した。遊走子形成に用いる菌の培養日数および滅菌処理した水質の影響について検討した結果、PDA培地上で7日間培養した菌叢から最も多くの遊走子が形成された。滅菌処理した水質の影響としては、脱塩水が、水道水および井戸水に比べて遊走子形成...

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Veröffentlicht in:てん菜研究会報 = Proceedings of the Sugar Beet Research Association 2004-05 (45), p.27-32
Hauptverfasser: 岡崎, 和之, 大潟, 直樹, 高橋, 宙之, 中司, 啓二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Aphanomyces cochlioidesによる、テンサイ苗立枯病および黒根病に対する抵抗性が、現在のテンサイ育種における重要形質とされている。抵抗性育種では、安定的かつ高精度な抵抗性評価が可能な人工接種法を用いた抵抗性検定が優れているが、接種源となる遊走子を大量かつ安定的に形成する手法が必要である。そこで本試験では、培養条件が遊走子形成量に及ぼす影響について検討した。遊走子形成に用いる菌の培養日数および滅菌処理した水質の影響について検討した結果、PDA培地上で7日間培養した菌叢から最も多くの遊走子が形成された。滅菌処理した水質の影響としては、脱塩水が、水道水および井戸水に比べて遊走子形成量が多く、滅菌水のがpHが高くなるに従って形成量は減少し、pH5.0で形成量は最も多く、pH8.0では、形成量が著しく減少した。また、滅菌水に添加するNaClおよびKClの濃度は、濃度が高いほど遊走子形成量が減少する傾向が認められた。得られた遊走子の病原性に関して、播種後7日目の苗に遊走子懸濁液を接種した結果、接種濃度が滅菌土1g当たり遊走子5個で苗立枯病が発生した。また、本手法を改良することで、苗立枯病低抗性検定手法の開発が可能であることが示唆された。
ISSN:0912-1048