淀川水系に生息する淡水性カメ類の疾病

1999年冬期~2000年春期にかけて淀川水系において,カメの運動障害,衰弱および死亡といった症状がみられるとの報告があった。同じ頃,魚類でも類似の症状がみられた.そこで,水質の異常を懸念して,カメの調査を行った.カメには皮膚疾患および眼瞼腫脹がみられた.血液生化学検査に異常はみられなかった.この症状は他のカメに感染することはなかった.症状は抗生物質および複合ビタミン投与で治まった.さらに,冬眠障害の可能性を考えて,時期を変えて9匹のカメを採取した.これらのカメは一般症状および血液生化学検査で異常はみられなかった.以上のことから,カメ疾病の原因は,なんらかの理由で冬眠より目覚めたカメが気温の変...

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Veröffentlicht in:大阪府立食とみどりの総合技術センター研究報告 = Bulletin of Agricultural, Food and Environmental Sciences Research Center of Osaka Prefecture Food and Environmental Sciences Research Center of Osaka Prefecture, 2003-03 (39), p.24-27
Hauptverfasser: 石塚, 譲, 大谷, 新太郎, 森, 達摩, 田中, 正治, 内藤, 馨, 森田, 和博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1999年冬期~2000年春期にかけて淀川水系において,カメの運動障害,衰弱および死亡といった症状がみられるとの報告があった。同じ頃,魚類でも類似の症状がみられた.そこで,水質の異常を懸念して,カメの調査を行った.カメには皮膚疾患および眼瞼腫脹がみられた.血液生化学検査に異常はみられなかった.この症状は他のカメに感染することはなかった.症状は抗生物質および複合ビタミン投与で治まった.さらに,冬眠障害の可能性を考えて,時期を変えて9匹のカメを採取した.これらのカメは一般症状および血液生化学検査で異常はみられなかった.以上のことから,カメ疾病の原因は,なんらかの理由で冬眠より目覚めたカメが気温の変化に順応できず細菌による二次感染を起こした可能性が最も高いと考えられた.
ISSN:1348-4397