兵庫県南西部に分布するシリブカガシ林の階層構造と種類組成

兵庫県南西部に分布する4林分のシリブカガシ林を対象に、階層構造と種類組成について調査を行った。その結果、過去の人為的な影響の程度の違いによって、階層構造と種類組成が異なる2つのタイプが認められた。神社林として成立しているシリブカガシ林は、階層構造が発達しており、種類組成が豊富な傾向がみられた。一方、かつて薪炭林利用のために伐採され、その後放置されたシリブカガシ林は、階層構造が単純化しており、種類組成も貧弱であった。また、種類組成から判断して、今回調査した4林分のシリブカガシ林は、いずれも照葉樹林化の初期段階に位置していたが、適切な管理が行われていたと推察される前者のシリブカガシ林では、照葉樹以...

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Veröffentlicht in:兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 森林林業編 2004-03 (51), p.8-12
Hauptverfasser: 山瀬, 敬太郎, 上山, 泰代, 吉野, 豊, 前田, 雅量
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:兵庫県南西部に分布する4林分のシリブカガシ林を対象に、階層構造と種類組成について調査を行った。その結果、過去の人為的な影響の程度の違いによって、階層構造と種類組成が異なる2つのタイプが認められた。神社林として成立しているシリブカガシ林は、階層構造が発達しており、種類組成が豊富な傾向がみられた。一方、かつて薪炭林利用のために伐採され、その後放置されたシリブカガシ林は、階層構造が単純化しており、種類組成も貧弱であった。また、種類組成から判断して、今回調査した4林分のシリブカガシ林は、いずれも照葉樹林化の初期段階に位置していたが、適切な管理が行われていたと推察される前者のシリブカガシ林では、照葉樹以外の照葉樹林要素の植物が多くみられた。このことから、後者のシリブカガシ林でも、今後、照葉樹林要素の植物の発芽や生長を促進することができる適切な管理を行うことによって、種類組成が豊富な種多様性の高いシリブカガシ林に誘導できる可能性が示唆された。
ISSN:1347-7749