血中乳酸閾値(LT)強度での自転車トレーニングがエネルギー基質としての脂質利用に及ぼす影響

本研究は、L強度でのトレーニングが脂質代謝能力に及ぼす影響を、全身の酸素利用系の指標であるRQから検討した。成人男性8名を対象として、60分間のLトレーニングを6週間実施した。トレーニング前のL強度(Pre-Lw)とトレーニング後のL強度(Pos-Lw)、ならびにトレーニング後にトレーニング前のL強度(Posabs-Lw)の計3回の60分間固定運動負荷試験を実施した。Lに相当する仕事率は、トレーニング前後で、102±18wasから131±21wasへと有意に増加した(p<0.05)。固定運動負荷試験中の30分目から60分目までの平均VO2は、Pre-Lw(1582.4±188.4mL・min(...

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Veröffentlicht in:九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 2003-10, Vol.58 (1-2), p.19-26
Hauptverfasser: 音成, 道彦, 松原, 建史, 内藤, 聖子, 劉, 忠峰, 大瀬, 雄也, 庄野, 菜穂子, 田中, 守, 清永, 明, 田中, 宏暁, 進藤, 宗洋, 立花, 宏文, 山田, 耕路
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は、L強度でのトレーニングが脂質代謝能力に及ぼす影響を、全身の酸素利用系の指標であるRQから検討した。成人男性8名を対象として、60分間のLトレーニングを6週間実施した。トレーニング前のL強度(Pre-Lw)とトレーニング後のL強度(Pos-Lw)、ならびにトレーニング後にトレーニング前のL強度(Posabs-Lw)の計3回の60分間固定運動負荷試験を実施した。Lに相当する仕事率は、トレーニング前後で、102±18wasから131±21wasへと有意に増加した(p<0.05)。固定運動負荷試験中の30分目から60分目までの平均VO2は、Pre-Lw(1582.4±188.4mL・min(-1))に対して、Pos-Lw(1896.5±318.0mL・min(-1)) では19.8±14.1%の有意な増加が認められたが(p<0.05)、Posabs-Lw(1540.4±213.0mL・min(-1))では変化が認められなかった。平均RQは、Pre-Lwでは0.90±0.03に対して、Pos-Lwは差がなく、Posabs-Lwでは有意な低下が認められた(pos;0.90±0.05、Posabs;0.84±0.03、p<0.05)。L強度の自転車エルゴメーターを用いたトレーニングは、トレーニング前後で同一運動強度での運動中の脂質の燃焼比率を68%、FFA酸化量を60%増加した。これらの結果から、同一運動強度でのRQの低下は、主働筋での脂質酸化能力が亢進した結果、糖質の利用が抑制されたことを示唆するものと考えられる。
ISSN:1347-0159