ブロイラーの成長に及ぼす甲状腺除去の影響

本実験では、ブロイラーの成長に及ぼす甲状腺除去の影響を検討するため、甲状腺を外科的に摘出し、飼料摂取量ならびに筋肉、骨、内臓および脂肪の重量変動について検討した。供試鶏としてアーバーエーカー系のブロイラー雄雛16羽を用い、実験区として偽手術、甲状腺自家移植(自家移植)および甲状腺除去(甲除)の3区を設定した。甲状腺は7?8日齢時に摘出後、直ちに胸部前端部皮下に自家移植し、移植鶏の半数については17?18日齢時に移植甲状腺を除去した。各区の鶏は28日齢から49日齢まで飼料摂取量を毎日、体重を1週間毎に測定し、50?51日齢時に断頭屠殺後、1羽あたりの筋肉、骨、内臓および脂肪の全重量を測定した。そ...

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Veröffentlicht in:Nihon Kakin Gakkaishi 2003-05, Vol.40 (2), p.71-76
Hauptverfasser: 仁木, 隆博, 芝田, 猛, Khantaprab, S
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本実験では、ブロイラーの成長に及ぼす甲状腺除去の影響を検討するため、甲状腺を外科的に摘出し、飼料摂取量ならびに筋肉、骨、内臓および脂肪の重量変動について検討した。供試鶏としてアーバーエーカー系のブロイラー雄雛16羽を用い、実験区として偽手術、甲状腺自家移植(自家移植)および甲状腺除去(甲除)の3区を設定した。甲状腺は7?8日齢時に摘出後、直ちに胸部前端部皮下に自家移植し、移植鶏の半数については17?18日齢時に移植甲状腺を除去した。各区の鶏は28日齢から49日齢まで飼料摂取量を毎日、体重を1週間毎に測定し、50?51日齢時に断頭屠殺後、1羽あたりの筋肉、骨、内臓および脂肪の全重量を測定した。その結果、偽手術区と自家移植区は飼料摂取量、増体量ならびに筋肉、骨、内臓および脂肪の重量について差がなく、移植甲状腺は活着してホルモンをほぼ正常に分泌したものと推察された。これら2区に対して甲除区は、飼料摂取量、増体量および筋肉と骨の重量は明らかに減少し有意差が認められた。しかし、脂肪重量については他の2区よりも著しく大きな値を示した。また、内臓重量は実測重量において他の2区と同様な値を示し、体が小さい割りには大きな内臓を持つことが明らかであった。甲除区におけるこれらの結果のうちで、内臓重量はこれまで報告されてきた結果とは異なるものであったが、これ以外は甲状腺ホルモン欠如の影響として明らかにされている結果と同様であった。以上の結果から、ブロイラーにおいて甲状腺を除去したとき、甲状腺ホルモンは欠如したものと推察され、そのことによって飼料摂取量が減少し、筋肉、骨の重量増加が抑制される一方で、脂肪の蓄積は増加するが、結果的には成長は抑制されることが明らかとなった。
ISSN:0029-0254