イタリアンライグラス新品種‘シワスアオバ'の生育時期別飼料成分含量

イタリアンライグラス新品種‘シワスアオバ’の飼料特性について、生育時期別に飼料成分含量の分析を行い‘タチワセ’、‘アキアオバ’と比較検討した。‘シワスアオバ’は‘タチワセ’や‘アキアオバ’に比べ、次のような特徴がある。1.1番草出穂期の粗蛋白質(CP)含量は多く、総繊維(OCW)含量は少ない。2.伸長期から開花期まで、高消化性繊維含量/総繊維含量(Oa/OCW)が高く、繊維の消化性が高い。3.出穂期に低消化性繊維(Ob)含量が少なく、リグニンを多く含む茎部割合が少ないため、可消化養分総量(DN)と相関の高い人工乾物消化率(IVDMD)が15%から20%高い。4.2番草の飼料成分含量では‘シワスアオバ’と‘タチワセ’、‘アキアオバ’に顕著な差がない。5.1番草は従来から栽培されているイタリアンライグラスと比較して、粗蛋白質含量が高く、総繊維含量が低いため、高い消化性を示す。以上のことから、‘シワスアオバ’はイタリアンライグラスの他の品種に比べて著しく成分が異なり、飼料成分表の数値を利用できないので、給与設計する際にはフォーレージテスト等を活用して正確に飼料成分を把握する必要がある。