プロトプラスト融合によるネギ(Allium fistulosum L.)の新育種素材の開発に関する研究

ネギ(Allium fistulosum L.、2n=2x=16)の千住品種群に属する‘伯州ネギ’は鳥取県において集団選抜により育成された良食味の品種である。しかしながら、Puccinia alliに起因するさび病に対して罹病性であり、さらに、集団選抜によって育成された品種であることから生育の不均一性が問題として残されている。前者のさび病についてはさび病抵抗性遺伝子の導入が望まれるが、ネギ品種の中では現在のところ本遺伝子は見つかっていない。一方、タマネギ(Allium cepa L.、2n=2x=16)は本病に対して比較的抵抗性であることが知られていることから、ネギとタマネギとの体細胞雑種を育...

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Veröffentlicht in:鳥取県園芸試験場特別報告 = Special bulletin of the Tottori Horticultural Experiment Station 2002-12 (9), p.1-65
1. Verfasser: 下中, 雅仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ネギ(Allium fistulosum L.、2n=2x=16)の千住品種群に属する‘伯州ネギ’は鳥取県において集団選抜により育成された良食味の品種である。しかしながら、Puccinia alliに起因するさび病に対して罹病性であり、さらに、集団選抜によって育成された品種であることから生育の不均一性が問題として残されている。前者のさび病についてはさび病抵抗性遺伝子の導入が望まれるが、ネギ品種の中では現在のところ本遺伝子は見つかっていない。一方、タマネギ(Allium cepa L.、2n=2x=16)は本病に対して比較的抵抗性であることが知られていることから、ネギとタマネギとの体細胞雑種を育成することによって本病に抵抗性の遺伝子の導入が可能と考えられる。後者の問題点については細胞質置換により育成される雄性不稔系統を利用したF1品種の開発が有効である。近縁種からの核あるいは細胞質遺伝子の導入は体細胞雑種の育成によって可能である。これらの観点から本研究はネギとタマネギの体細胞雑種の育成を目的として行われ、その目的を達成するためにネギの懸濁細胞培養系、プロトプラスト培養および植物体再生系、プロトプラスト融合法などの一連の生物工学的手法を確立した。
ISSN:1348-4923