グミ分布域の変遷と環境について

1)各年のグミの分布域は毎年変化がみられ、異常発生初期の'89~'90年は、小呂島南東部から大島北西部の水深50~60m帯に限られていたが、近年水深の浅い沿岸部へ南下接岸する傾向で分布域が拡大した。2)グミの推定現存量は'89年には数万トンであったが、'94年には87万トンに達し、その後減少し'98~'99年には8~9万トン台で推移し、分布域、現存量とも'94年に大きなピークを形成していた。3)グミの異常発生後('89~'98)には、異常発生初期以降('89~'98)に比較して、冬季2...

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Veröffentlicht in:福岡県水産海洋技術センター研究報告 = Bulletin of Fukuoka Fisheries and Marine Technology Research Center 2003-03 (13), p.77-85
Hauptverfasser: 吉田, 幹英, 後川, 龍男, 秋元, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1)各年のグミの分布域は毎年変化がみられ、異常発生初期の'89~'90年は、小呂島南東部から大島北西部の水深50~60m帯に限られていたが、近年水深の浅い沿岸部へ南下接岸する傾向で分布域が拡大した。2)グミの推定現存量は'89年には数万トンであったが、'94年には87万トンに達し、その後減少し'98~'99年には8~9万トン台で推移し、分布域、現存量とも'94年に大きなピークを形成していた。3)グミの異常発生後('89~'98)には、異常発生初期以降('89~'98)に比較して、冬季2月~春季4月にかけての水温が1~2℃高め傾向であり、プランクトン沈殿量も異常発生後に冬季の2月~春季の5月にかけて高め傾向であった。4)グミは中央粒径値-0.69~3.27の砂質の底質に出現し、分布密度が500g/m(2)を越える高密度分布は、特定の中央粒径値付近に偏ることなく全体的に出現した。また、中央粒径値4以上のシルト質ではグミの出現はみられなかった。5)月別の平均体長は、夏眠期の9月に最も小さく、12月に最も大きくなった。夏季7、8月には体長組成に2つの山が認められた。9月~2月までの期間は平均体長が月2~3mm増加し、体長組成の分散が増加する傾向にあった。
ISSN:0919-2468