イトマキヒトデに逃避行動を起こさせるニチリンヒトデ分離画分中の核酸イノシンとグアノシンの同定

イトマキヒトデは天敵ニチリンヒトデの接近を感知して忌避行動をとる。この行動は死んだニチリンヒトデおよびその水抽出物でも誘起されることから、化学物質が関与していることが示唆されていた。そこで、エゾニチリンヒトデ水抽出物の分離をおこない、イトマキヒトデに逃避行動をおこさせるフラクションから2種類の核酸、イノシンとグアノシン、を同定した。標品の核酸を用いた生物検定試験の結果、これらの核酸は単独では逃避行動を誘起しなかったが、天然混合比と同じ1:1の混合物が1ppmで活性を示した。イトマキヒトデに忌避行動を誘起する物質は不安定であるために未だ単離に至っていないが、逃避行動を誘起するフラクションの構成成...

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Veröffentlicht in:Journal of the Tokyo University of Fisheries 2002-03, Vol.88, p.7-13
Hauptverfasser: 鵜飼, 和代, 桐原, 慎二, 藤川, 義一, 能登谷, 正浩, 浪越, 通夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:イトマキヒトデは天敵ニチリンヒトデの接近を感知して忌避行動をとる。この行動は死んだニチリンヒトデおよびその水抽出物でも誘起されることから、化学物質が関与していることが示唆されていた。そこで、エゾニチリンヒトデ水抽出物の分離をおこない、イトマキヒトデに逃避行動をおこさせるフラクションから2種類の核酸、イノシンとグアノシン、を同定した。標品の核酸を用いた生物検定試験の結果、これらの核酸は単独では逃避行動を誘起しなかったが、天然混合比と同じ1:1の混合物が1ppmで活性を示した。イトマキヒトデに忌避行動を誘起する物質は不安定であるために未だ単離に至っていないが、逃避行動を誘起するフラクションの構成成分として2種類の核酸の構造を明らかにした。
ISSN:0040-9014