クローニングしたウシ黄体形成ホルモンレセプターの全長cDNAのCOS-7細胞における発現

クローニングしたウシの黄体形成ホルモン(LH)レセプターをコードする全長cDNAをCOS-7細胞で発現させ、そのタンパク質のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)との結合活性について検討した。ウシのLHレセプターcDNAの分子クローニングはウシの黄体から抽出した総RNAを用いてRT-PCR法により行った。重複部位を持つ3つのcDNAの部分的断片を増幅し、塩基配列の決定を行い、遺伝子工学の手法を用いて完全長のcDNAを構築し、それを哺乳動物細胞発現ベクターに組み込んだ。塩基配列の解析を行ったところ、ウシLHレセプターをコードする2103塩基のオープンリーディングフレームが示され、26残基の推定上の...

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Veröffentlicht in:The Journal of reproduction and development 2002-10, Vol.48 (5), p.531-538
Hauptverfasser: 川手, 憲俊, 玉田, 尋通, 稲葉, 俊夫, 澤田, 勉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クローニングしたウシの黄体形成ホルモン(LH)レセプターをコードする全長cDNAをCOS-7細胞で発現させ、そのタンパク質のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)との結合活性について検討した。ウシのLHレセプターcDNAの分子クローニングはウシの黄体から抽出した総RNAを用いてRT-PCR法により行った。重複部位を持つ3つのcDNAの部分的断片を増幅し、塩基配列の決定を行い、遺伝子工学の手法を用いて完全長のcDNAを構築し、それを哺乳動物細胞発現ベクターに組み込んだ。塩基配列の解析を行ったところ、ウシLHレセプターをコードする2103塩基のオープンリーディングフレームが示され、26残基の推定上のシグナルペプチドと675残基の成熟レセプタータンパク質からなることが予想された。その成熟レセプタータンパク質のアミノ酸配列はブタ、ヒト、ラットおよびマウスと比較して、それぞれ94、88、86および85%の相同性を示した。ウシLHレセプターcDNAをCOS-7細胞にトランスフェクションし、その細胞を破砕せずにスキャッチャード分析を実施したところ、細胞上に高親和性かつ低受容量の〔125I〕-hCGの結合部位の存在が示された。以上の成績から、今回クローニングしたウシLHレセプターcDNAから発現させたタンパク質はLH/hCGとの結合性を持ち、細胞表面に位置することが示唆された。
ISSN:0916-8818