パンライシメータ法による関東ローム堆積露地畑における土壌水および硝酸態窒素の浸透実態
関東ロームが堆積した畑ほ場における土壌水の浸透および施肥窒素由来の硝酸態窒素の溶脱の状況を明らかにするために,1.5m角のステンレス製のパンを深さ1.0m,2.0mおよび3.7mに挿入して浸透水を採水することができる地下室型パンライシメータを建設し,3年間,浸透水の水量,水質および深さ別の土壌水分ポテンシャルを観測した.土壌水および施肥窒素の標識化合物として,塩素イオン,重水および重窒素標識硫安をパン上部の深さ0.3mの土層に施用して流出状況を調査した.その結果の要約は以下のとおりである.1)深さ別の土壌水分ポテンシャルの変動は,深さ0.8mおよび1.1mでは,-100 J kg^-1から-1...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2002/10/05, Vol.73(5), pp.501-507 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 関東ロームが堆積した畑ほ場における土壌水の浸透および施肥窒素由来の硝酸態窒素の溶脱の状況を明らかにするために,1.5m角のステンレス製のパンを深さ1.0m,2.0mおよび3.7mに挿入して浸透水を採水することができる地下室型パンライシメータを建設し,3年間,浸透水の水量,水質および深さ別の土壌水分ポテンシャルを観測した.土壌水および施肥窒素の標識化合物として,塩素イオン,重水および重窒素標識硫安をパン上部の深さ0.3mの土層に施用して流出状況を調査した.その結果の要約は以下のとおりである.1)深さ別の土壌水分ポテンシャルの変動は,深さ0.8mおよび1.1mでは,-100 J kg^-1から-1 J kg^-1の間であり,深さ1.8mおよび2.1mでは,-20 J kg^-1から-1 J kg^-1であった.一方,深さ3.5mおよび3.8mでは,-3.2 J kg^-1から0.3 J kg^-1までと上層部の変動幅より小さかった.2)降水量に対する浸透水の流出割合は,深さ1.0mおよび2.0mで1.4%から6.6%であり,深さ3.7mでは11%であった.3)深さ1.0mに設置したパンでは,塩素イオンは施用から238日後に流出が認められ,333日後に最高濃度となった.重水は229日後に流出が認められ,259日後に最高濃度となった.重窒素は84日後に流出が認められ,200日後に最高濃度となった.4)深さ1.0mまでの関東ロームにおける重水の見かけの浸透速度は2.7×10^-3m d^-1,硫安由来の硝酸態窒素の見かけの浸透速度は3.5×10^-3m d^-1と見積もられた. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.73.5_501 |