水田における土壌特性値と水稲収量の空間変動解析および収量規定要因の解析
水田稲作において局所的土壌管理を行うための基礎情報を得ることを目的として,50×100mの圃場で土壌特性値と水稲収量の空間変動を解析した.圃場表層土を代かき前に5×10mの区画ごとに計100点採取し,pH,EC,全炭素,全窒素,C/N比,可給態窒素,可溶性窒素,可給態リン酸,交換性Ca,Mg,K,Naを測定するとともに,収穫時に各区画の収量を測定した.得られたデータに対して,圃場内の空間変異を解析するためジオスタティスティクスを適用し,セミバリオグラムによる空間依存性の評価とそれに基づいたクリギングによる地図化を行うとともに,多変量解析により収量規定要因を求めた.その結果,以下のことが明らかと...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2002/10/05, Vol.73(5), pp.477-484 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水田稲作において局所的土壌管理を行うための基礎情報を得ることを目的として,50×100mの圃場で土壌特性値と水稲収量の空間変動を解析した.圃場表層土を代かき前に5×10mの区画ごとに計100点採取し,pH,EC,全炭素,全窒素,C/N比,可給態窒素,可溶性窒素,可給態リン酸,交換性Ca,Mg,K,Naを測定するとともに,収穫時に各区画の収量を測定した.得られたデータに対して,圃場内の空間変異を解析するためジオスタティスティクスを適用し,セミバリオグラムによる空間依存性の評価とそれに基づいたクリギングによる地図化を行うとともに,多変量解析により収量規定要因を求めた.その結果,以下のことが明らかとなった.空間変動解析の結果,土壌特性値は,可溶性窒素を除き中程度あるいは強い空間依存性を示し,その依存距離はpH,EC,全炭素,全窒素,交換性Naで20〜30m程度,可給態リン酸,可給態窒素,交換性Ca,Mgで40m程度,C/N比と交換性Kで50〜60m程度であった.一方収量は中程度の空間依存性を示し,その依存距離は50m程度であった.またこの結果に基づくクリギングにより,土壌特性値および収量の等値線図を描くことができた.さらに多変量解析と空間変動解析を組合せた結果,土壌特性は収量規定要因として重要であり,収量の空間的に依存したランダムでない変異の65%を説明できることが明らかとなった.従って,以上の土壌特性値および収量の空間変動を考慮した局所的土壌管理,すなわち「精密農業」が,水田稲作においても有効になり得ると結論された. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.73.5_477 |