ウメ葉縁えそ病病原ウイスルの汁液接種によるウメ品種南高における病徴再現の確認

わが国有数のウメの産地、和歌山県紀南地方のウメ品種南高に発生している“ウメ葉縁えそ病”(茶がす症)がCucumber mosaic virus (CMV-Um)およびPrunus necrotic ringspot virus類似ウイルス(PNRLV)の重複感染によることを証明する目的で、り病樹から分離された。これら2ウイルスをウメ品種南高に混合接種して病徴の推移を調べた。その結果、萌芽の遅延、不完全花の高率発生、葉脈間の黄化による濃淡斑、全葉の黄化、葉縁部のえそ、早期の落葉など本病の病徴がおおよそ再現された。PNRLV単独接種では病徴は軽く、CMV-Um単独接種では健全対照樹と大差はなかった...

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Veröffentlicht in:Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2002-06, Vol.47 (1), p.11-16
Hauptverfasser: 大坪, 孝之, 栗原, 潤, 榊原, 学, 都丸, 敬一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国有数のウメの産地、和歌山県紀南地方のウメ品種南高に発生している“ウメ葉縁えそ病”(茶がす症)がCucumber mosaic virus (CMV-Um)およびPrunus necrotic ringspot virus類似ウイルス(PNRLV)の重複感染によることを証明する目的で、り病樹から分離された。これら2ウイルスをウメ品種南高に混合接種して病徴の推移を調べた。その結果、萌芽の遅延、不完全花の高率発生、葉脈間の黄化による濃淡斑、全葉の黄化、葉縁部のえそ、早期の落葉など本病の病徴がおおよそ再現された。PNRLV単独接種では病徴は軽く、CMV-Um単独接種では健全対照樹と大差はなかった。以上から本病はこの両ウイルスの重複感染によるものと結論された。なお、花器の異常として雌蕊の発育不全が不稔の主因と思われることを示唆する結果が得られた。
ISSN:0375-9202