甲状腺機能低下ラットの心電図変化

Class III 抗不整脈薬の amiodarone で生じる甲状腺機能低下状態の長期間持続が心電図に及ぼす影響を評価するために,甲状腺摘出ラットを長期間飼育し,甲状腺機能低下時の心電図変化を甲状腺摘出後70週まで追跡した。血中甲状腺ホルモン値は甲状腺摘出後1週より有意に低下し,観察終了時まで低値のまま持続した。一方,心電図検査では,摘出後1週より心拍数低下とQT間隔の延長が有意に認められたが,摘出後1及び70週のQT延長率に差は認められず,甲状腺機能低下状態の長期間持続によるQT延長の増悪はなかった。また,甲状腺摘出動物のQT間隔,心拍数と各甲状腺ホルモン値は有意な相関を示したことから,こ...

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Veröffentlicht in:Dōbutsu no junkanki 2002, Vol.35(1), pp.13-24
Hauptverfasser: 原田, 拓真, 橋本, 政敏, 三井, 雄史, 加賀, 伸彦, 尾畑, 賢臣, 望月, 英典
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Class III 抗不整脈薬の amiodarone で生じる甲状腺機能低下状態の長期間持続が心電図に及ぼす影響を評価するために,甲状腺摘出ラットを長期間飼育し,甲状腺機能低下時の心電図変化を甲状腺摘出後70週まで追跡した。血中甲状腺ホルモン値は甲状腺摘出後1週より有意に低下し,観察終了時まで低値のまま持続した。一方,心電図検査では,摘出後1週より心拍数低下とQT間隔の延長が有意に認められたが,摘出後1及び70週のQT延長率に差は認められず,甲状腺機能低下状態の長期間持続によるQT延長の増悪はなかった。また,甲状腺摘出動物のQT間隔,心拍数と各甲状腺ホルモン値は有意な相関を示したことから,これらの心電図変化は甲状腺ホルモンの低下に起因することが示された。摘出後70週までに死亡あるいは切迫屠殺に供された7例と生存例のQT間隔に明らかな差は認められず,また,全期間の心電図検査で不整脈が認められなかったことから,死因とQT延長に伴う致死性不整脈の関連性は考えにくかった。
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.35.13