CAガス環境下における樹上完熟マンゴーの呼吸特性

樹上完熟'Irwin'マンゴーを用いて, CAガス環境下の呼吸速度について調査を行い, 以下の知見を得た。 (1) 5℃, 15℃, 25℃の三つの温度区で呼吸速度測定を行った結果, 温度と呼吸速度の問には片対数グラフ上で直線関係が得られた。 (2) 5℃で約1カ月間の保存において低温障害はみられなかった。 (3) O2濃度の違いはCO2排出速度にほとんど影響を与えなかった。一方, O2吸収速度はO2濃度の減少に伴って減少し, その結果, 呼吸商が増大した。しかし, 5℃のO2濃度10%以上の条件ではO2吸収速度, 呼吸商ともに変化はみられなかった。 (4) CO2濃度の上...

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Veröffentlicht in:Food preservation science 2002/05/31, Vol.28(3), pp.111-117
Hauptverfasser: 中村, 宣貴, 椎名, 武夫, 名和, 義彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:樹上完熟'Irwin'マンゴーを用いて, CAガス環境下の呼吸速度について調査を行い, 以下の知見を得た。 (1) 5℃, 15℃, 25℃の三つの温度区で呼吸速度測定を行った結果, 温度と呼吸速度の問には片対数グラフ上で直線関係が得られた。 (2) 5℃で約1カ月間の保存において低温障害はみられなかった。 (3) O2濃度の違いはCO2排出速度にほとんど影響を与えなかった。一方, O2吸収速度はO2濃度の減少に伴って減少し, その結果, 呼吸商が増大した。しかし, 5℃のO2濃度10%以上の条件ではO2吸収速度, 呼吸商ともに変化はみられなかった。 (4) CO2濃度の上昇によって, 5℃, 15℃においては, O2吸収速度, CO2排出速度がともに抑制され, 呼吸商にはほとんど変化がみられなかった。その傾向は5℃でより顕著であった。 以上のことより, 樹上完熟'Irwin'マンゴーの呼吸抑制には, 5℃程度の低温, 10%程度の高CO2濃度を保ち, 極端な低O2状態を避けることが有効である。
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.28.111