ササユリ無菌培養球の開花と球根肥大の系統間差異

5地方,12府県から採集した18系統のササユリを無菌培養し,得られた132個の小球を5年間栽培した.和歌山県由来の1系統(MHN)は第1作期で開花したが,府県および地方間の到花年数の差異は認められなかった.ササユリ分布の南寄り地域にある宮崎,徳島,和歌山および奈良県に由来する6系統は他の系統に比べ,第5作期における花数が多かった.これら多花性の系統間で,第5作期終了時の球重に差があり,奈良県由来の系統(KYY)は重く,徳島県由来の系統(BNK)は他の系統に比べ軽かった.一方,この第5作期終了時の球重は第1作期における植え付け時球重に対する増加球重の比率と相関が認められた.すなわち,球根の肥大に...

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Veröffentlicht in:Engeigaku kenkyuu 2002, Vol.1(2), pp.93-96
Hauptverfasser: 西村, 秀洋, 渥美, 茂明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:5地方,12府県から採集した18系統のササユリを無菌培養し,得られた132個の小球を5年間栽培した.和歌山県由来の1系統(MHN)は第1作期で開花したが,府県および地方間の到花年数の差異は認められなかった.ササユリ分布の南寄り地域にある宮崎,徳島,和歌山および奈良県に由来する6系統は他の系統に比べ,第5作期における花数が多かった.これら多花性の系統間で,第5作期終了時の球重に差があり,奈良県由来の系統(KYY)は重く,徳島県由来の系統(BNK)は他の系統に比べ軽かった.一方,この第5作期終了時の球重は第1作期における植え付け時球重に対する増加球重の比率と相関が認められた.すなわち,球根の肥大に基づく選抜は小型の球根が遺伝資源として園芸品種に寄与しうる可能性を消失させるであろう.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.1.93