近赤外線分光法によるニホンナシの非破壊糖度測定

近赤外分光分析法による、ニホンナシの糖度の非破壊測定について検討を行った。長波長域(1,100~2,500nm)及び短波長域(700~1,100nm)において近赤外スペクトルを測定し、検量線の作成、評価を行った。その結果、長波長域においては3~4波長からなる検量線が得られ、検量線評価時の標準誤差(SEP)は、いずれの品種においても0.5程度であった。短波長域においては4波長からなる検量線が得られ、SEPは0.3~0.4程度で、長波長域で作成された検量線より精度が高かった。どちらの波長域の検量線も、糖度に基づいて果実を選別するには実用的な精度であると判断されたが、ニホンナシにおける近赤外線分光法...

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Veröffentlicht in:神奈川県農業総合研究所研究報告 = Bulletin of the Agricultural Research Institute of Kanagawa Prefecture 2002-03 (142), p.1-7
Hauptverfasser: 坂本, 真理, 吉田, 誠, 小清水, 正美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近赤外分光分析法による、ニホンナシの糖度の非破壊測定について検討を行った。長波長域(1,100~2,500nm)及び短波長域(700~1,100nm)において近赤外スペクトルを測定し、検量線の作成、評価を行った。その結果、長波長域においては3~4波長からなる検量線が得られ、検量線評価時の標準誤差(SEP)は、いずれの品種においても0.5程度であった。短波長域においては4波長からなる検量線が得られ、SEPは0.3~0.4程度で、長波長域で作成された検量線より精度が高かった。どちらの波長域の検量線も、糖度に基づいて果実を選別するには実用的な精度であると判断されたが、ニホンナシにおける近赤外線分光法による糖度測定には、短波長域でのスペクトル測定が優れていることが明らかになった。複数品種を合わせた検量線を作成したところ、SEPは品種別の検量線と大差なく、糖組成の異なる品種間で適用できる検量線を作成することができた。また、波長の帰属を考慮し、波長を指定して検量線を作成したところ、918、996、882nmの各波長を含む検量線で、各品種とも、解析ソフトウェアの自動選択波長による検量線より精度のよい検量線が得られた。これらの結果より、品種によらないグローバル検量線の作成と、固定波長での検量線作成の可能性が示された。
ISSN:0388-8231