沖縄県で分離された子豚下痢由来腸管毒素原性大腸菌 (ETEC) の細菌学的性状と病原遺伝子保有状況

1989~1998年に沖縄県内の22農場, 35頭の下痢症罹患子豚から分離された腸管毒素原性大腸菌 (ETEC) 79株について, 血清型別, 生化学的性状, 線毛, エンテロトキシンおよび病原遺伝子保有状況を調べた.O群型は分離頻度の高い順に0149が57株, 08が8株, 020が7株, 09が3株, 0141が3株, 064が1株であった.0149はすべてβ 型の溶血を示したのに対し, それ以外の0群では溶血は観察されなかった.腸内細菌同定キットによる生化学的性状検査では10タイプに区分され, 40株 (50.6%) が1つのタイプに属した.線毛遺伝子の保有状況はF4 (K88) acが...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2001/08/20, Vol.54(8), pp.595-600
Hauptverfasser: 又吉, 正直, 貝賀, 眞俊, 大城, 聡, 中澤, 宗生
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1989~1998年に沖縄県内の22農場, 35頭の下痢症罹患子豚から分離された腸管毒素原性大腸菌 (ETEC) 79株について, 血清型別, 生化学的性状, 線毛, エンテロトキシンおよび病原遺伝子保有状況を調べた.O群型は分離頻度の高い順に0149が57株, 08が8株, 020が7株, 09が3株, 0141が3株, 064が1株であった.0149はすべてβ 型の溶血を示したのに対し, それ以外の0群では溶血は観察されなかった.腸内細菌同定キットによる生化学的性状検査では10タイプに区分され, 40株 (50.6%) が1つのタイプに属した.線毛遺伝子の保有状況はF4 (K88) acが64株 (81.0%), F5 (K99) が3株 (3.8%), F6 (987P) が11株 (13.9%), 線毛遺伝子を保有しない株が1株 (1.3%) であった.エンテロトキシン遺伝子はLTI・STI・STII・EAST1の4種類の遺伝子を保有するものが36株 (45.6%) で最も多く, 以下LTI・STH・EAST1が22株, STIが10株, STI・STHが5株, STI・STH・EAST1が4株, STI・EASTlが2株の順であった.以上の成績から, 沖縄県においては血清型0149に属し, F4ac線毛遺伝子と4種類のエンテロトキシン遺伝子を保有するETECが優勢な菌型であることが明らかになった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.54.595