工業的生産プラントでの酵素法によるシスチン生産

シスチンの安定な工業生産に必要な酵素反応における生産性向上と操作条件の最適化,高品質な製品の製造に求められる不純物の淘汰方法,および副生する有害な硫化水素の除去方法について検討した.酵素反応における追添法は高い生産性を維持し高い基質濃度の反応を可能にした.これは反応槽の生産量の増加に寄与し設備生産性の向上に好ましい結果を得た.また追添法において, ATC濃度を指標に通気量を管理することによって反応後半の酸化還元電位を最適範囲に保持する手法を開発することができた.この手法は通気量を手動でコントロールすることにより微妙な酸化還元電位を調節しつつ反応の最適化を図る方法より簡便であり,実際の設備運転上...

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Veröffentlicht in:Nippon nōgei kagakukaishi 2001/09/01, Vol.75(9), pp.949-956
Hauptverfasser: 山本, 泰, 藤田, 五男, 堀埜, 一成, 幸田, 徹, 明石, 邦彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:シスチンの安定な工業生産に必要な酵素反応における生産性向上と操作条件の最適化,高品質な製品の製造に求められる不純物の淘汰方法,および副生する有害な硫化水素の除去方法について検討した.酵素反応における追添法は高い生産性を維持し高い基質濃度の反応を可能にした.これは反応槽の生産量の増加に寄与し設備生産性の向上に好ましい結果を得た.また追添法において, ATC濃度を指標に通気量を管理することによって反応後半の酸化還元電位を最適範囲に保持する手法を開発することができた.この手法は通気量を手動でコントロールすることにより微妙な酸化還元電位を調節しつつ反応の最適化を図る方法より簡便であり,実際の設備運転上有利な手法である.さらに単離精製工程で問題となった製品のFeイオンの高い含有量をキレート剤の添加で減少させ,高品質の製品の製造を可能にした.工業生産で安全上大きな問題である酵素反応で発生する硫化水素を安全に安定して除去する乾式脱硫法を工業化し,一貫した新規のシスチン製造プロセスをつくりあげ工業生産プラントで実証した.
ISSN:0002-1407
1883-6844
DOI:10.1271/nogeikagaku1924.75.949