種子根伸長角度を指標にした根系の深さが異なるコムギ実験系統群の作出(形態)
根系の深さは作物の環境ストレス耐性や養水分吸収特性と密接な関係にある.そこで, コムギにおいて幼植物の種子根の伸長角度を指標にして, 根系の深さが異なる系統を選抜することができるかどうかを調べた.作出される系統群の遺伝的な背景を揃えるため, 一組の親組み合わせから得た姉妹系統を用い, 早期に遺伝的に固定した系統を得るため半数体育種法を利用した.まず, 三系交配由来の姉妹系統である倍加半数体535系統の中から, 出穂期が遅すぎず正常に生育する129系統を予備選抜した.つぎに, バスケット法で播種後7日目の種子根の伸長角度を調べ, 種子根の数と伸長角度の関係から, 下向きの伸長角度が小さい9系統(...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 2001/09/05, Vol.70(3), pp.400-407 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 根系の深さは作物の環境ストレス耐性や養水分吸収特性と密接な関係にある.そこで, コムギにおいて幼植物の種子根の伸長角度を指標にして, 根系の深さが異なる系統を選抜することができるかどうかを調べた.作出される系統群の遺伝的な背景を揃えるため, 一組の親組み合わせから得た姉妹系統を用い, 早期に遺伝的に固定した系統を得るため半数体育種法を利用した.まず, 三系交配由来の姉妹系統である倍加半数体535系統の中から, 出穂期が遅すぎず正常に生育する129系統を予備選抜した.つぎに, バスケット法で播種後7日目の種子根の伸長角度を調べ, 種子根の数と伸長角度の関係から, 下向きの伸長角度が小さい9系統(S群)と大きい9系統(D群)を選抜した.これらを土壌環境の異なる畑圃場と水田圃場で栽培し, それぞれ穂孕期と登熟期に改良モノリス法で深さ30cm, 条間方向への距離15cmまでの根長密度を調べた.その結果, 根の深さ指数で示される根系の深さの平均値は両群で有意に異なり, D群はS群に比べて畑圃場で22%, 水田圃場で13%深い根系を形成していることを確認した.なお, D群はS群に比べ全体として根が細い傾向にあった.一方, 地上部では茎数, 葉色, 地上部乾物重, 子実重には群間差異が見られず, 草丈と千粒重のみに群間差異が見られた.作出された2つの系統群は, これらの特性を考慮したうえで, 根系の深さが生育に及ぼす影響を調べるための比較実験などに用いることができる. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.70.400 |