肥育牛にみられた肝壊死桿菌症の1例

急死した19ヵ月齢の肉用牛1頭を検査した. 剖検で全身性に高度の黄疸を認め, 肝臓には胡桃大の限界明瞭な黄白色結節が多発していた. 組織学的には肝臓の結節は凝固壊死より成り, 壊死巣辺縁には多数のグラム陰性長糸状桿菌および炎症性細胞を認めた. 細菌検査では肝臓からFusogacterium necrophorumが純粋に分離され, 空腸内容物からClostridium perfringensが2.8×108 CFU/g分離された. 以上の成績から本病は肝壊死桿菌症と診断され, 結節病変は肝膿瘍の初期病巣と考えられた. 本症例では黄疸と小腸でのC.Perfringensの増殖も急死に関与したもの...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2001/07/20, Vol.54(7), pp.543-545
Hauptverfasser: 羽生, 宜弘, 青柳, 高弘, 佐藤, 良彦, 桑本, 亮, 佐藤, 友吾, 木下, 茂人, 伊藤, 隆, 井口, 又雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急死した19ヵ月齢の肉用牛1頭を検査した. 剖検で全身性に高度の黄疸を認め, 肝臓には胡桃大の限界明瞭な黄白色結節が多発していた. 組織学的には肝臓の結節は凝固壊死より成り, 壊死巣辺縁には多数のグラム陰性長糸状桿菌および炎症性細胞を認めた. 細菌検査では肝臓からFusogacterium necrophorumが純粋に分離され, 空腸内容物からClostridium perfringensが2.8×108 CFU/g分離された. 以上の成績から本病は肝壊死桿菌症と診断され, 結節病変は肝膿瘍の初期病巣と考えられた. 本症例では黄疸と小腸でのC.Perfringensの増殖も急死に関与したものと推察された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.54.543