不耕起乾田直播栽培の継続とメタン発生量の関係
水稲不耕起乾田直播栽培では、土壌は酸化的で減水深が大きくなり、メタンの発生量が少なくなると考えられている。しかしながら、不耕起直播の継続に際して稲わらを圃場に還元した場合のメタン発生量については明らかになっていない。そこで、不耕起直播の継続とメタン発生量の関係について、減水深が小さい斑鉄型グライ低地土水田、グライ化灰色低地土水田と減水深が大きい普通灰色低地土水田において耕起移植田を対照として調査した。 1)不耕起直播田のメタン発生量は耕起移植田の21~91%で、減水深が大きいほど不耕起直播田と耕起移植田におけるメタン発生量の差が大きかった。 2)同じ圃場でも、稲わらを還元する不耕起直播を継続す...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2001-08, Vol.72 (4), p.542-549 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水稲不耕起乾田直播栽培では、土壌は酸化的で減水深が大きくなり、メタンの発生量が少なくなると考えられている。しかしながら、不耕起直播の継続に際して稲わらを圃場に還元した場合のメタン発生量については明らかになっていない。そこで、不耕起直播の継続とメタン発生量の関係について、減水深が小さい斑鉄型グライ低地土水田、グライ化灰色低地土水田と減水深が大きい普通灰色低地土水田において耕起移植田を対照として調査した。 1)不耕起直播田のメタン発生量は耕起移植田の21~91%で、減水深が大きいほど不耕起直播田と耕起移植田におけるメタン発生量の差が大きかった。 2)同じ圃場でも、稲わらを還元する不耕起直播を継続するに従い、耕起移植と不耕起直播のメタン発生量の差が徐々に小さくなる傾向がみられた。 3)耕起移植と不耕起直播のメタン発生量の差が小さくなるのは、不耕起直播継続4年目ぐらいからで、その時期は不耕起直播の土層が還元的になる時期と一致した。そして、減水深が非常に小さい圃場で7年も不耕起直播を継続するとメタン発生量は耕起移植の1割減に留まった。 4)減水深が大きい圃場でも、不耕起直播の継続により土層は還元的になり、不耕起直播と耕起移植のメタン発生量の差は小さくなった。しかしながら、その差は減水深が小さい場合の差と比べて大きかった。 |
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ISSN: | 0029-0610 |