水圏環境における耐塩性・発酵性酵母の分布

水圏（荒川の上流、多摩川の中・下流、検見川浜海岸/千葉、君ヶ浜/銚子）に生息する耐塩性および発酵性酵母の分布について調べ、栄養寒天培地上での酵母コロニー形成数は水圏の浸透圧や塩濃度の増加に伴い減少し、逆に有機炭素量の増加に伴い増大した。酵母の増殖および発酵における限界NaCl濃度の平均値は沿岸の酵母の場合2.3-2.5Mであり、また河川の酵母の場合1.2-1.9Mであった。分離酵母に占める発酵性酵母の割合は、2.5M NaCl存在下で河川の酵母では0-4%、沿岸の酵母では17-31%であり、高塩耐性・発酵性の酵母は主として沿岸に生息することがわかった。