土壌養分が作物根圏の微生物フロラに及ぼす影響

作物生産性に及ぼす土壌微生物フロラの影響を評価するため,施設圃場を中心に土壌微生物フロラを調査した。土壌微生物フロラは無機態窒素濃度,牛ふん堆肥施用量の両者に影響されるが,土壌(作土0~10cm深)の無機態窒素濃度が高くなるとそれに伴って作土の土壌呼吸活性が低下した。 県内のホウレンソウ施用圃場の土壌養分を調査した結果,適正域から多量域と考えられる硝酸態窒素20mg/100g,トリオ-グリン酸200mg/100g,交換性塩基140%を超える圃場が50%認められた。土壌の無機態窒素濃度が20mg/100g以上になるとホウレンソウの生育は低下し,作土の糸状菌フロラが単相化した。このことから,土壌微...

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Veröffentlicht in:宮城県園芸試験場研究報告 = Bulletin of the Miyagi Prefectural Horticultural Experiment Station 2001-03 (13), p.15-24
Hauptverfasser: 千葉, 佳朗, 武田, 良和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:作物生産性に及ぼす土壌微生物フロラの影響を評価するため,施設圃場を中心に土壌微生物フロラを調査した。土壌微生物フロラは無機態窒素濃度,牛ふん堆肥施用量の両者に影響されるが,土壌(作土0~10cm深)の無機態窒素濃度が高くなるとそれに伴って作土の土壌呼吸活性が低下した。 県内のホウレンソウ施用圃場の土壌養分を調査した結果,適正域から多量域と考えられる硝酸態窒素20mg/100g,トリオ-グリン酸200mg/100g,交換性塩基140%を超える圃場が50%認められた。土壌の無機態窒素濃度が20mg/100g以上になるとホウレンソウの生育は低下し,作土の糸状菌フロラが単相化した。このことから,土壌微生物フロラの改善には無機態窒素濃度を適正に維持し堆肥を施用することが有効であると推察される。 施肥窒素量がホウレンソウの根面に生息する糸状菌フロラに及ぼす影響を検討した結果,施肥窒素濃度が高いほど根面の糸状菌フロラは単相化する傾向にあった。このことから,根面の糸状菌フロラは施肥の影響を受けていると推察される。
ISSN:0387-3706