有機リン系農薬チオメトンの酢酸エチルによる分解

有機リン系農薬チオメトンの回収率がネギなどではほぼ100% であるが,ニンジンなどでは 20% に満たないなど,作物によって大幅に異なった.分析操作の段階ごとに検討した結果,抽出に用いた酢酸エチルの劣化に由来するアセトアルデヒドがチオメトンを分解することを確認し,その分解物を推定した.また,ネギでは高い回収率を得られる原因として,アリウム属に多く存在するメルカプト基を持つ物質が分解を抑制していることを見いだした.この結果,チオメトンの残留分析に酢酸エチルを用いるときは,メルカプト基を有する化合物を添加すると良いことが明らかとなった....

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Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2001/04/25, Vol.42(2), pp.102-108
Hauptverfasser: 佐藤, 元昭, 下川, 志津男, 小畑, 雅一, 田中, 隆子, 中西, 豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:有機リン系農薬チオメトンの回収率がネギなどではほぼ100% であるが,ニンジンなどでは 20% に満たないなど,作物によって大幅に異なった.分析操作の段階ごとに検討した結果,抽出に用いた酢酸エチルの劣化に由来するアセトアルデヒドがチオメトンを分解することを確認し,その分解物を推定した.また,ネギでは高い回収率を得られる原因として,アリウム属に多く存在するメルカプト基を持つ物質が分解を抑制していることを見いだした.この結果,チオメトンの残留分析に酢酸エチルを用いるときは,メルカプト基を有する化合物を添加すると良いことが明らかとなった.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.42.102