窒素のリサイクルおよび作業能率向上のための作物残渣処理方法について
作物残渣を養分資源として効率的に利用することは,施肥の適正化を通じて,農業と環境の調和を図るうえでの有効な手段になりうる.そこで,作物残渣を省力的に土壌還元する方法を検討するとともに,残渣処理方法の違いが次作物の生育に及ぼす影響を検討した.すなわち,トマト栽培跡地に4試験区(搬出区,管理機による埋込区,フレールモアによる粉砕区,および地表放置区)を設けて,処理作業に要する時間を比較し,また,処理方法と後作物(タアサイおよびチンゲンサイ)の生育・収量および残渣由来窒素の利用率について調査した. 作業所要時間は粉砕区で最も短く,かつ作業が容易であったことから,作業上は粉砕処理が最も実用的であると考...
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Veröffentlicht in: | 農作業研究 2001/03/20, Vol.36(1), pp.17-23 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 作物残渣を養分資源として効率的に利用することは,施肥の適正化を通じて,農業と環境の調和を図るうえでの有効な手段になりうる.そこで,作物残渣を省力的に土壌還元する方法を検討するとともに,残渣処理方法の違いが次作物の生育に及ぼす影響を検討した.すなわち,トマト栽培跡地に4試験区(搬出区,管理機による埋込区,フレールモアによる粉砕区,および地表放置区)を設けて,処理作業に要する時間を比較し,また,処理方法と後作物(タアサイおよびチンゲンサイ)の生育・収量および残渣由来窒素の利用率について調査した. 作業所要時間は粉砕区で最も短く,かつ作業が容易であったことから,作業上は粉砕処理が最も実用的であると考えられた. トマト残渣の含有窒素量は300kg N ha-1以上に達した.後作物として栽培した2種類の中国野菜(タアサイ,チンゲンサイ)の収量は粉砕区>地表放置区>埋込区>搬出区となり,粉砕区におけるトマト残渣由来の窒素の利用率は最大で約15%であった. これらの結果から,作物残渣は次作物のための効率的な養分源となり,生育期間が60日程度と短い後作物の場合でも残渣中窒素の約10%が吸収利用されること,および吸収利用率を向上させる残渣処理方法としてフレールモアによる粉砕処理がきわめて有用であることが明らかになった. |
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ISSN: | 0389-1763 1883-2261 |
DOI: | 10.4035/jsfwr.36.17 |