阿蘇地方における不耕起火入れ直播法により造成した野草・牧草混在草地の放牧利用下での植生と植物生産性

半自然草地へ寒地型牧草を不耕起火入れ直播導入した野草・牧草混在草地(混在草地)の生態学的特徴を知るために,耕起法により寒地型牧草を導入した牧草地と放牧利用下における植生および植物生産性を比較調査した. 混在草地の可食部有機物生産量や可消化被食部までの太陽エネルギー利用効率は牧草地のそれらとほぼ同等であった.また,牧草地ではこれらに季節的変動が見られたが,混在草地においてその変動は少なく季節的に安定していた.牧草地,混在草地ともに導入牧草の優占割合は季節的に変動した.また夏季に両草地において1年生C4野草の割合が高かった.しかしながら,混在草地においては牧草地と異なり,多年生野草の優占度が高く,...

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Veröffentlicht in:九州東海大学農学部紀要 2001-03, Vol.20, p.25-36
Hauptverfasser: 岡本, 智伸, 椛田, 聖孝, 菊地, 正武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:半自然草地へ寒地型牧草を不耕起火入れ直播導入した野草・牧草混在草地(混在草地)の生態学的特徴を知るために,耕起法により寒地型牧草を導入した牧草地と放牧利用下における植生および植物生産性を比較調査した. 混在草地の可食部有機物生産量や可消化被食部までの太陽エネルギー利用効率は牧草地のそれらとほぼ同等であった.また,牧草地ではこれらに季節的変動が見られたが,混在草地においてその変動は少なく季節的に安定していた.牧草地,混在草地ともに導入牧草の優占割合は季節的に変動した.また夏季に両草地において1年生C4野草の割合が高かった.しかしながら,混在草地においては牧草地と異なり,多年生野草の優占度が高く,年間を通じてはほぼ一定であった.このことから混在草地の季節的平衡生産は多年生野草が一定の割合で常在することに加え,導入牧草と1年生C4野草の相互補完関係に起因すると考えられた. 阿蘇地方における牧草地の造成にあたり,不耕起造成による野草・牧草の混在草地化は一つの有効な手段であることが示唆された.
ISSN:0286-8180