家蚕地理的品種における低温暗催青による非休眠卵の出現

農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所で保存されている家蚕在来種を用いて, 低温暗催青による非休眠卵出現率を調査した。低温暗催青を行った場合の非休眠卵の出現傾向は, 日本種, 中国種との間では大差が無かったものの, 欧州種ではそれらより明らかに低かった。調査した1化性に分類される87品種中約半数の42品種では非休眠卵を産下する個体は認められなかったが, 1化性品種でも完全な休眠卵蛾区をまったく生じないものが5品種存在した。2化性に分類される34品種では非休眠卵をまったく生じないものが1品種認められたものの大部分の品種は非休眠卵を数多く産下し, 2化性品種の非休眠卵を産下する特性は長期にわたる系統保...

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Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 2000/12/29, Vol.69(6), pp.369-375
Hauptverfasser: 小瀬川, 英一, 清水, 久仁光, 岡島, 輝雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所で保存されている家蚕在来種を用いて, 低温暗催青による非休眠卵出現率を調査した。低温暗催青を行った場合の非休眠卵の出現傾向は, 日本種, 中国種との間では大差が無かったものの, 欧州種ではそれらより明らかに低かった。調査した1化性に分類される87品種中約半数の42品種では非休眠卵を産下する個体は認められなかったが, 1化性品種でも完全な休眠卵蛾区をまったく生じないものが5品種存在した。2化性に分類される34品種では非休眠卵をまったく生じないものが1品種認められたものの大部分の品種は非休眠卵を数多く産下し, 2化性品種の非休眠卵を産下する特性は長期にわたる系統保存を経てもかなりよく保存されていると考えられた。また, 同名異系統が存在する小石丸では, 他の表現形質による系統識別が困難な場合でも, 低温暗催青による非休眠卵発現の差異によって品種の異同を判定できる可能性が示唆された。これらのデーターは品種特性情報としてデーターベース上に収録することで一層利活用が図られる。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.69.369