卸売業者の愛知県産米評価と消費者の持つ米ニーズの分析
近年、愛知県産米の価格の低落と農協系統組織における集荷率の激減が水田営農の安定性を脅かす問題となっている。平成10年8月、実需者ニーズを把握し、付加価値を高める販売要因を分析することを目的に米卸売業者及び消費者に対してアンケート調査を実施し、34米卸売業者及び244名の消費者から有効回答を得て分析を行った。 卸売業者は6品種の本県産米を一部の品種を除き、概ねブレンド原料として用いていた。販売の原則自由化を受けて、すべての卸売業者は取扱総量の増加の意向を示した。業者はブレンド米、高級銘柄米、安全・安心米の取扱量を増やす意向を明確に持っている。しかし、中級単品米、県産単品米に対して業者の取扱増加の...
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Veröffentlicht in: | 愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center 2000-12 (32), p.31-38 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年、愛知県産米の価格の低落と農協系統組織における集荷率の激減が水田営農の安定性を脅かす問題となっている。平成10年8月、実需者ニーズを把握し、付加価値を高める販売要因を分析することを目的に米卸売業者及び消費者に対してアンケート調査を実施し、34米卸売業者及び244名の消費者から有効回答を得て分析を行った。 卸売業者は6品種の本県産米を一部の品種を除き、概ねブレンド原料として用いていた。販売の原則自由化を受けて、すべての卸売業者は取扱総量の増加の意向を示した。業者はブレンド米、高級銘柄米、安全・安心米の取扱量を増やす意向を明確に持っている。しかし、中級単品米、県産単品米に対して業者の取扱増加の意向はなかった。 消費者の米に対するニーズは年代や購入元によって特徴があった。生協での購入者は安全性を最も強く求めた。一方、スーパーでの購入者は比較的価格に訴求が強かった。しかし、安全性に対するニーズは回答者全体の平均47%と最も高いウェイトを占めており、消費者の安全志向の高まりを示した。また、減農薬栽培米の安全性に対する付加価値として10kg当たり平均573円を余分に支払えると回答した。消費者は米の生産地が地元であれば、安全性を求める上で非常に有利であると考えていた。これらの結果から、農協系統組織が安全・安心の付加価値によって差別化した本県産米商材を開発し、地元消費者に産地100%の米として有利に販売することは、水田農業の振興の上でメリットをもたらす方策となる可能性が解明された。 |
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ISSN: | 0388-7995 |