イネ切穂への噴霧接種による穂いもち圃場抵抗性の簡易検定法

イネ品種の切穂へいもち病菌の噴霧接種することにより穂いもち圃場抵抗性の簡易検定法を検討した。出穂期別の穂いもち圃場抵抗性基準品種39(抵抗性遺伝子型 +、Pia、Pii、Pik)の穂揃期の穂を止葉を付けて抜き取り、止葉葉鞘節下で切断し検定材料とした。各品種・系統20穂に、1×105個/mlのいもち病菌胞子懸濁液15mlを噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置き、その後温室(24~35℃)内で管理し、14日及び21日後に穂毎の発病程度を達観法により調査した。また、いもち病菌レース、接種濃度及び検定に必要とされる切穂の標本数についても検討した。その結果、+、Pia、Pii型品種にいもち病菌レース00...

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Veröffentlicht in:愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center 2000-12 (32), p.17-22
Hauptverfasser: 林, 長生, 谷, 俊男, 小泉, 信三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:イネ品種の切穂へいもち病菌の噴霧接種することにより穂いもち圃場抵抗性の簡易検定法を検討した。出穂期別の穂いもち圃場抵抗性基準品種39(抵抗性遺伝子型 +、Pia、Pii、Pik)の穂揃期の穂を止葉を付けて抜き取り、止葉葉鞘節下で切断し検定材料とした。各品種・系統20穂に、1×105個/mlのいもち病菌胞子懸濁液15mlを噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置き、その後温室(24~35℃)内で管理し、14日及び21日後に穂毎の発病程度を達観法により調査した。また、いもち病菌レース、接種濃度及び検定に必要とされる切穂の標本数についても検討した。その結果、+、Pia、Pii型品種にいもち病菌レース007及び037を噴霧接種したとき、本法と圃場検定による発病程度には、接種14日後で高い正の相関がみられた(1=0.95¨~0.74¨)。また,抵抗性遺伝子Pik型品種にレース037を噴霧接種した場合にも正の相関関係がみられた。安定した検定結果を得るためには1×105個/mlの胞子濃度が必要であった。また、危険率5%で発病指数による標本抽出誤差を±1及び±2以内におさめるのに必要な切穂の穂数は、それぞれ約22~39,7~12本であった。以上の結果から、切穂噴霧接種法はイネ品種の穂いもち圃場抵抗性を簡易に検定する方法として有用であり、穂いもち発生の少ない地域において、また親和性いもち病菌レースが分布していない品種などの穂いもち抵抗性を検定する方法として有効であると考えられた。
ISSN:0388-7995